クチナシとか ユリとか梅雨時の花はその薫りで、存在を主張している。じっとりと重く熱を帯びた空気の中を歩くとむせかえる香りに出くわす。大抵、その花々は 気の早い夏草に隠れていたりするんだが香りに手招きされるように歩をすすめるとしずかに肉厚の花弁がたたずんでいる。薫りは流れず。風もなくよどんだ空気さえ味方にしているのか。真夏にスカッと咲く花には無い、イロっぽさを感じる薫りただよう 花々である。