日記でもなく、手紙でもなく
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2001年02月05日(月) 心の治療

 思い残し症候群というのがあって、小さい子どもの時、親から愛情を注いでもらえなかった時に、成長過程や大人になった今も、過食症とか拒食症とか、集団不適応とか、内に完全にこもってしまう、あるいは、もうどうにでもなれという感じで、他人に対してものすごく攻撃的になってしまう、などということが出てくるという。

 香川大学の(たぶん臨床心理の)先生が、その思い残し症候群を治療するというのをTVのニュースでやっていた。

 親にやって欲しかったことを書いてもらい、その先生が(場合によりその奥さんが)その人の親代わりに、それをしてあげるという治療。大きい大人を子どもみたいに扱うので、先生もなかなか大変な作業。ミルクを哺乳壜で飲ませてもらったり、おむつを替えてもらう、あるいはご飯を食べさせてもらう、おんぶしてもらう、一緒に遊んでもらう−−等。

 26歳の女性も出てきたけど、先生に親代わりでそれらをやってもらう。親にしてもらうことを、そこで再トレースして、生まれ変わる。
 子どもの時親に甘えられず、それが尾をひきずっていて、そんなふうにしてもらうと、まさに子どもに戻っているようで、本人はとても気持ち良い表情の映像が映し出されていた。

 その治療を受けた人が、今自分の子どもと遊びながら、「もし治療を受けてないと、結婚して子ども産んで、今こうして自分の子どもと遊んでいるというのは、想像できない」という話は、説得力があった。
 だから今、子どもにそんなことをしてあげられる、子どもにそうしてあげたいと思う自分がいる、みたいなこと。

 親の愛情というのは、子どもの心を育てるにも、ものすごく大きな影響を与えている、というのがそれを見てるだけでも、ほんとうに良くわかる。
 TVカメラが入っているのだが、親にしてもらいたかったことをトレースしてると、本人はもうその気持ち良さのほうが上回ってしまって、カメラなんかもう全く関係ない感じで振る舞っている。

 もちろん、こういう治療だけで済む場合は限られるかもしれないけど、心の問題って実は何だろうか、みたいなことを、また少し考えたりも。


riviera70fm |MAIL