日記でもなく、手紙でもなく
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FM放送番組欄、CD新譜、アーチスト情報と新製品オーディオなどを記事の柱にした<FM fan>という雑誌があるが、今年いっぱいで休刊になるという。この雑誌を知っている人で、その人が特定の音楽ジャンルだけをよく聴いている人の場合だと、「特徴のない、ごった煮のような雑誌」といって貶していたものだった。 私の場合は逆に、いろいろな領域に関心がある(むしろ、自分の関心領域が、既存の様々なジャンルの中に少しずつあったりするので)特にノンジャンルで構成された記事を見ながら、新しい情報を得たりすることもあり結構重宝していたので、ちょっと残念な気もしている。35年ほど続いた雑誌らしい。
この雑誌を読み始めた頃だと、それこそいろいろな記事を熟読していたし、オーディオなどが話題になっていたこともあり、その中の長岡鉄男の新製品レポートなども、面白がって読んでいた記憶もある。当時から、歯に衣着せぬ論評で、提灯持ち的記事はほとんどなかったということもあり、その連載が長続きしたところがあるようにも思う。ただ、長岡氏の場合、評価的な話だけではなく、オーディオ文化論的な内容も添えられていて、そのへんを面白く読んでいたところもある。 長岡氏も先年亡くなると同時に、連載記事の担当者も変わってしまった。ものの見事に記事の面白さは半減した。
もう一方で、日経流通には、伊勢丹美術館の閉館記事が出ていた。 小田急美術館も閉館という話を聞いたのがつい先日。伊勢丹美術館だけは、結構頑張っているなと思っていた矢先の記事。来年3月には閉鎖されるという。
79年に開設しているので、足掛け23年間。閉鎖を決定したのは、集客効果が薄れてきた、ということが一番大きな理由。売り場が広がった分、その分の売上は増えるというのは、当然のことだが、売り場を増やせば集客が増加するか、というのはなんともいえないところも残る。 やはり、数多くの公的美術館が、もっと頑張らないといけない時代に入ってきているのではないだろうか。やがて、公的美術館も淘汰の時代に入ってくるような気もしている。
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