日記でもなく、手紙でもなく
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2002年08月06日(火) CD-Box<いしだあゆみ・これくしょん〜さすらいの天使>

 ちょうど1年前の8月に、弘田三枝子コレクションが出ているが、同じ体裁・6枚組で、いしだあゆみのボックス・セットが8月下旬に発売される。138曲を収録予定(過去のちあき、弘田などのボックスよりも収録曲数は多い)。
 この人も、筒美京平作品を歌った歌手として、記憶に残る人だ。

 1970年前後、どちらかというと鼻にかかったようなぺったりした声で、いしだあゆみは筒美の作品を歌っていた。筒美の作品も、バカラックのぱくり(典型的には<ブルーライト・ヨコハマ>=ウォーク・オン・バイ)などを積極的にやっていた頃。そんなあざとい時代の音楽であるところが、いしだあゆみという歌手に似合っていたし、そういう時代の人の心に、いしだの声というのはものの見事に溶け込んでいたような気がしないでもない。そんな時代が凝縮された貴重な音楽の遺産が、いしだあゆみのコレクションだ。

 弘田三枝子のボックス同様、初めてCD化されるライブや、カバー曲(洋楽・邦楽両方)などが多数含まれている。かつて、アナログLPで、カバー曲を聴いたことがある。決してうまくはなかった。
 しかし、その時代が、いしだにカバーを歌わせているのだ。

 いしだの声でカバー曲を聴くことで、その時代がより浮き彫りにされてしまう。その面白さ、他の歌手では決して真似のできないことだ。


riviera70fm |MAIL