日記でもなく、手紙でもなく
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トルコというと、コーヒーが飲まれている国というイメージが強かった。トルコ・コーヒーという、独特のコーヒーのいれ方の名称が、恐らく頭にこびりついているからに他ならない。なんとなくどろっとした感じのコーヒー。 しかし、既にトルコ・コーヒーというのは有名無実になっているようだ。
今日の日経文化欄に寄稿していた谷本陽蔵氏(大阪府茶業協同組合)によると、今やトルコ国内の茶の生産量は日本の2倍近くの18万トンに達し、しかも茶の輸出量は5000トン程度しかない、つまり約97%はその国内で消費されているという。 日本よりも人口は少ないので(トルコの人口は6000万人で、日本の約2分の1)、恐らく1人あたりの茶の消費量は、日本をかなり上回るという計算になる。
実際、谷本氏がトルコへ行くと、どこでも出されるのは紅茶のような色合いのお茶だったという。渋みや苦味がないので、日本の番茶感覚で飲めるものだとも。どろっとしたトルコ・コーヒーと、このトルコ・ティーの間の隔たり感はかなり大きい。
トルコでの茶の始まりは、50年程前に日本からの輸入種子によるもの。試行錯誤しながら、あっという間に日本の茶の生産量を追い越してしまったようだ。 1980年以降、トルコ国内の政治経済的混乱で、輸入コーヒー豆が高騰。その結果トルコ・コーヒーは一般の人々の生活から消えてしまうことになる。
今年2003年は、日本におけるトルコ年として設定されている。知っているようで、ほとんど知らない国。
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