日記でもなく、手紙でもなく
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2003年05月06日(火) |
SARS効果かSARS禍か |
中国・香港・台湾での死者数が増加し、死亡率が急にはねあがってきたSARS。この問題とイラク戦争でダブルパンチをくらったエアラインや旅行会社に対して、体温計を製造している会社は、これにより緊急特需が発生したという話がある。
つい先週末も、中国だとマスクが手に入らないので、日本からマスクを送って欲しいというメールが入ってきたので、今マスクを送ってきたという会社の同僚もいたりした。 最近、日本でもマスクが置かれているところがめっきり減ってきたという。たぶん、需要の多いところにモノが流れているのだろうけれど、日本でもSARSによりマスクが必要となったら、買占めとかが出てきて大変なことになりかねない気もしてくる。
さて、4月末にベトナムでSARS感染封じ込めに成功したベトナムは、今日新たに5人が感染疑いのため隔離されたという記事が報じられていた。早期に対応を図り、それにより感染者の増加を止めたのだったが。その意味では少し残念だ。
もう一つ、これは4月下旬にも出たのだが、キムチの需要が北京などで急増しているという話。キムチを食べていると、SARSにかかりにくいという話が流布しているらしい。 もともとは、乳酸菌飲料であるヤクルトが、インフルエンザウイルスの感染予防効果がある、というような内容の論文の話がネット上で広がったのだが、香港の医師会が「インフルエンザに効くのであれば、(SARSへの効果は分からないものの)抵抗力は高まるのではないか――」と指摘したらしい。当然今やこのヤクルトの消費量も香港ではかつての3倍近い90万本/日に近い勝利量になっているという。
ここで登場するのがキムチ。ヤクルトと同じ乳酸菌の発酵食品であること、更に免疫力を高めるとされるニンニクも含むこと、キムチを良く食べている韓国では新型肺炎感染者がいない、ということから、このキムチがSARS予防食品として俄然注目を集めることになった。 ホメオタシスを高めるということで、結果SARSにかかりにくいということであれば、やはり健康な状態を維持しておくことが一番重要である、ということならよくわかるのだが。
ただ、昨日中国浙江省では、十分な設備のないオフィスビルにSARS感染者が隔離されていること、それによって感染拡大を懸念する地元住民約千人が抗議活動を展開、警察や政府の車両を破壊する事態にも至っている。 やはり、SARS効果・余得などはごく僅かである。感染者やそれによる死亡者の増大だけでもおぞましいことだが、SARSが引き金となった<禍>も一層拡大しているように見えてくる。
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