日記でもなく、手紙でもなく
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2003年08月29日(金) |
レオナルド・ダ・ヴィンチ<糸車の聖母> |
ダヴィンチの絵が盗まれた、という朝日朝刊の記事を、昨日帰りの電車の中で読んでいる人がいた。これは知らなかった。 今日、あらためてネット上のニュース(読売やロイター)を確認してみると、27日午前(昼前のことらしい)、スコットランド南部の富豪であるバックリー公爵所有の(17世紀に建てられた)ドラムランリグ城に観光客を装った2人の男が入っていき、警備員を制圧、警報装置を解除した後、ホールに飾られていたダヴィンチの<糸車の聖母>を盗み、車で待機していた他の2人の男とともに逃走した、という内容。 要は、白昼強奪された、ということだ。
なんとも大胆な泥棒であるし、それだけ警備が手薄だったのか、などとも思ってしまう。 この作品、公爵自慢のコレクションで、毎年夏と秋に一般公開されてきたという。 ダ・ヴィンチだもんね、とやはり思ってしまう。残っている完成作品が何しろ少ない人ではある。
この、<糸車の聖母>だが、1500〜10年の間(1501年という記述が多いようだ)に、フランス国王ルイ12世の側近の依頼を受けて制作された作品と言われているが、約50×36センチのさほど大きくないサイズ。 幼児キリストが<糸巻き>らしきものを持っているため、「糸車」という形容詞が付いたのかもしれないが、実際には糸「車」などはどこにも描かれていない。
資産価値は(記事によっても少し異なるものの)2500万ポンドから3000万ポンド(円換算で46億円から56億円)。 以前、ルーベンスの絵が競売された記事の記憶もあるが、その時はほとんど5000万ポンドという落札価格。ダヴィンチでこんなものか、というような気にもなるが、たぶんかなり大きさが違うようなところがあるのだろう。 ただ、情報が不十分でよくわからないのだが、ネットを検索していると「偽作」という文字も出てきており、これは一度確かめたいと思ったところ。ただ、偽作にしては、なにしろよくできている感じがしないでもない。
もっとも、ダヴィンチの真筆とすれば、もし競売されたら3000万ポンドで済むかどうか。かなり値段はつり上がるような気もするところ。
ところで、今日のロイター電によると、「富豪の代理人は28日、保険会社が英ポンドで6けたに上る懸賞金をかけたことを明らかにした」とある。6桁といっても、3000万ポンドの1〜2%程度、多くても3%ということになる。 うまく出てくるのだろうか? まさか話題にするために、仕組まれたものではないだろうとは思うのだが。
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