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本屋でねこぢるのマンガを見つけたので買った。文庫の大きさ(と言うか文庫)で今月の新刊と書いてあって文庫の棚に平積みにしてあった(←文めちゃめちゃ)。
何年か前に(多分原作者が亡くなる前)バイト先の先輩から薦められ、ああこういう漫画を描く人なんだ、くらいにしか思っていなかった。言葉の意味はよく分からないけど、かわいい猫のキャラを使ってシニカルなギャグを扱うというか、そういう作風だけがねこぢるという人の印象だったのだけど、この本に収録されていた作品がエラク恐かった。マジで恐かった。雰囲気が、とかそういう次元じゃなくて恐かった。
原作者ねこぢるが生前に見た夢の内容を、夫のねこぢるyが絵にしたものなんだけど夢という曖昧な設定の物語を漫画という形にしてしまうことがとてつもなく恐ろしいことのように思えた(語彙がないので伝わりません・・・)。話として成り立っているかどうかということでもないいんだろうなあ。
なんて言えばいいのか・・・恐い、という感情のうちでも、本能的にヤバイと感じる類の恐い、なんですよ。お化け屋敷の恐いと心霊スポットの恐い、って違うじゃないですか。これ以上見たり触ったり関わったりしたら自分の身によくないことが起きるんじゃないか、と本能的に恐いと感じる時のような。
原作者がそれまでに一体どんな経験をしてこれを形にしたのか、そしてその作者の手で作りられた単純な線による世界がどれだけのことを表現しようとしているのか。漫画は漫画だと言い切れる人はいいんだろうけど、笑えるだけが漫画じゃないですよ。やっぱ。
かわいい猫、と言ったけど本当はあのキャラも恐いんですけどね。すごく。本当に。
・ねこぢるまんじゅう/ねこぢる(文藝春秋)
フリーっぽいのでリンク貼っちゃえ。
ねこぢる公式ホームページ