港町の小高い峠から見下ろした景色を抱きしめてくれたその腕を思い出す。遠い昔。宝石を私は見つけた。その宝石を私は、私の力のなさ故に無くした。無口な夜を過ごす。テレビから聞こえるのはある種の祈りの歌。祈りは心を貫いていく。どうしても私は「その言葉」を「その時」に伝えたい人がいる。それまでは無口な夜を越える。 真っ白い花を手に。