2001年08月28日(火) |
ライフマスク(゚-゚) |
寝転がっているダンナさんのあごは どんどん首と同化しつつある。
毎週 家業を手伝いにいくたびに 「また太ったんじゃないの」と 誰彼なしに言われている。 あまり本人に自覚がないので 教えてあげることにした。
台所からアルミホイルをぴーっとちぎって1枚。 顔の上にのせて、象(かたど)るのである。 デスマスクならぬライフマスク。
実は数年前 職場の休憩中に 女達3人マスクとりごっこで 多いに盛り上がったことがあった。
ホイルで顔を包むように 目鼻口に沿ってしっかり押しつける。
これはその人の特徴が顕著にあらわれる。 普段本人すら気付かぬ特徴が 銀色に光ってホイルの皺が不気味さを放つ。
おでこな子が そっと顔からホイルを剥がすと モーレツア太郎のでこっぱちのかぶりものみたいなマスク。
人の顔で笑うなんて とても失礼なのだが 禁断の笑いとでもいおうか、「笑っちゃいけない時の我慢の気持ちよさが 頂点にきてイッテシマウ」そんな感じ。 地べたに這いつくばって笑ってやった。
巨大鼻を持つ面長な女のそれは、 どうみてもモアイ像で、 銀色のモアイ。 おまえは渋谷に行け!とひどいことを言ったのはもしかしたら私。
目と口がやたらでかい女。 マスクをとるときはもちろん目をつぶっているのだが 出てるのよー ぼこっと。 本人もうすうす気付いてたみたいなんだけど ピン球2個埋めましたって図。
んで、その間の鼻がほとんど埋没してるもんだから パグみたいで。 それよりもなによりも、アルミホイルがちぎった一枚で足りなかったのが 相当悔しかったみたい。
ふふ、どれが私かは秘密。
で ダンナさんのアルミマスク。
あごについた肉とかは 思ったより形がでなくて 普通の目と鼻と口。
笑う所がないって ホントおもんない。 悔しいので 今壁に貼りつけて晒しモノにしてやる。
でも
出勤後の彼のいない部屋で アルミ顔にびくっとしているのは私。
昔、事務所から帰ってきた実母が 「今日 こんなことしてみた」 と一枚の紙を取り出した。
事務所には母ひとり。 父もいない。仕事もヒマ。 そこにコピー機。
母はコピー機に顔をうつぶせ 自分の顔を複写してきた。
実物大のおばさんの顔。 シミまでくっきりだ。
お母さん もし その時 誰か入ってきたら あなたは どうしたのでしょうか。
そして わたしがマスクとりごっこで興じていたのも やはり血のなせるわざだったんでしょうか
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