本当のことを告白すると、彼の後姿や風呂上がりのサンバラ髪姿を見るたびに 「ぷ」と笑いをかみ殺していた。
いや、それは自分をも笑う始末なのだが、実は旅行の前に随分伸びたダンナさんの 髪の毛をさてどーしたもんだかと悩むまでもなく100均でみつけたスキ鋏で 私がカットしたのである。
結果は「いとうせいこう」
でも、自分の後姿は見えない彼はもともと無頓着なのも手伝って 仕上りにたいした不満も訴えず「こんなものなの〜?」の一言で納得していた。 私自身も、切りたての時は大丈夫と思ったのだが、1,2日経っただけで その毛先の不揃いさは陽の目を浴びるより明らかとなる。
出社前の彼を見ながら今日こそ切り直そう直そうと思っていたら とうとう会社でばれてしまった。 彼がカッパ頭だということに。 妻の髪型をなかなか気付かぬ人種なのになんで同僚のヘアスタイルが変なのに 気がつくねん(そりゃおかしいからや)
「ねぇ、ねぇ 気がついたんだけどさ、床屋、変えた方がいいんぢゃない?」 そういう言葉から始まったそうだ。 「まるで裁ちバサミでじょきじょき切ったみたいだ」 「スソが切りっぱなしだ」 「どうみてもおかしい」 「うん おかしい」
そこまでいわれようやく彼も気付いたもよう。 実は今日ふたりで実家に行った際もさんざん親兄弟に「オマエの頭、それ変」 と言われっぱなしだった。
で、その元凶ともいえる私はといえば一緒になって 「わははは、おかしーですよねー」とはやし立てていた。
ちゃんと床屋で切ってもらえという忠告だけ頂きながらついさきほど 再度ばーばーめぐっちがカットいたしました。 いとうせいこうが大槻教授に変身しました。
うーん びだるさっすーん。
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