この間、いとこ親子がうちに泊まりに来た。 娘は中学生で、馬に乗っている。 馬事公苑で合宿だとかで 母親であるいとこがくっついてきた。
会社を出て 最寄駅で二人に会い うちに帰るまで、 または近所にご飯を食べに出かける道中、 いとこはずっと携帯でメールを打ったり確認したり、 または音を鳴らせたりしてる。
すっごく違和感。 ひさしぶりに会ったのに、なんで携帯とお見合いしてるんだ?
娘は今週いっぱいまで合宿所にカンヅメ。 今晩だけうちに泊まるので、明日以降はどこに泊まるの? といとこに聞いたら
「シーッ」
とかって 人差し指を口にあてやぁがった。
そういうことか。
若くに結婚してすぐ子供が出来て 肩肘張って張って生きてきた。 小さい頃一緒に住んでいたこともあって姉妹のような関係だ。
彼女が幼稚園くらいの頃母親が亡くなり それ以来、何人母にあたる人間が変わっただろう。 そしてその度に、兄弟が出来たり環境が変わったり それに順応していくために、彼女は心に剣を持つことを選んだ。
自分を守るための盾があるので 反抗と抵抗でこちらはグッタリする。
いつも盾持ちこちらを疲弊させるいとこが うちに来たいと連絡があった時から、 「とにかく肯定しよう。違和感は 言葉に出そう。 今 あの子が来るっていうのも何か意味があるんだ」
そう思って腹をくくった。くくるくらい 彼女は疲れさせるんだ。 まさか次のような話が飛び出すとは思ってもみなかったが 肯定意識は常にもとうとした。
お風呂上り、マニキュアを塗りながら、 「なんで リコンしたん?」 と聞いてきた。 こういう直球が一番苦手だ。
しばらく黙ってから「説明しても わからへんと思う」と応えたら ふん といって「一緒におらんでも ええようになってんな」といとこが言った。
そうじゃない。 一緒にいないことに耐えることが 私の宿題なのだよ。 ま、わかるまい。めんどくさいので いい加減に頷く。
次にこんな質問 「オネエチャン(私の事を昔からそう呼ぶ)、好きな人おる?」
・・・・小学生みたいな質問。 めっちゃ新鮮。 即答でおらへん と応える寂しさ。
そんないとこが、 今好きで仕方がない人ができたという。 この話題を出すための布石な質問に 勝手にドキドキしてばかみたい(笑)。
旦那とはもう冷え切っているらしい。 すっかり痩せて 「旦那とは4年もエッチしてないけど 彼と触れていたい」とか少女台詞を吐き出すきゃつを見ていると まぁなんとも無防備な と思う。
でも 4年って きっちり憶えてるところが あんたの心の寂しさを表しているんじゃないか。
相手の男は、娘の馬教室のインストラクターとかで その合宿の間 東京まで追ってくるのだという。 遠い地で 逢瀬を重ねるというわけだ。ありてい。
でもそのつかのま逃避行の手はずは穴ぼこだらけで 少し敏感な子なら 気付くよ。そしてあんたの旦那も。
私は、彼女の恋を否定はしなかった。 だって現にそこに存在しているから。
「私は、今まで甘えずに頼らずにやってきた。 今 心から甘えられるのがすごく居心地いい」 と言っている女に対して、
「それって今までの自分の立場に 相手を置いてるってことやん 自分は楽でも 相手はしんどいってことやん」
と言ったら憮然としていた。
今まで家族のために 頑張ってきたというが それは自分のためでもあっただろう。 自分を犠牲にしたきたようなことを言うな。 それは自分が選んだことなんだから。
ことごとく、私の言葉を否定しているいとこに静かに言った。 「あんたってさ、私が喋ってる途中から 話を始めたり、 自分の意見と違ったら すぐ否定しているのが、 さっきから とっても気になるねんな。 、 まずは 相手の話をちゃんと最後まで聞くこととか 『その意見はわたしはわからない』ってちゃんと伝えることって 大切だと思うよ。
もしあんたが喋ってる相手から 話の腰折られっぱなしだったら それ以上喋りたいって思う?」
ベッドで どでんと横たわるいとこの娘の寝息だけが聞こえる。 そんなことを言われて はじめていとこが考える時間をとった。 それまで 間髪居れず「ちゃうちゃう」 と否定語から入っていたのだ。
考えた後に、 「子供の頃から ふんばっとってん」 そんな話がはじまった。
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