I think so...
Even if there is tomorrow, and there is nothing, nothing changes now.
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夏だった。 初めて会ったのはうだる様な暑さの夏だった。
だから未だに夏は好きになれない。
ドアの外でカタンと小さな音がした。 僕はざらざらした砂壁に背中をもたれながら、もう何時間も煙を吐き続けている。 床の上に置いた灰皿はすでにいっぱいになっていて飲みかけのビールの缶に、今火をつけたばかりのタバコの灰を落とした。 薄暗い部屋の中で白い一本の筋だけがふわりと上がってはゆっくりと消えていく。 緑色に点滅しているデジタル時計だけが今を刻んでいる。 別にいつもと変わらない普通の朝だった。
君がいないこと、を除いては。
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