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 無視作戦

犬2頭との午後の散歩。
あまり お天気は良くないし 小雨も降ってきたし
「早くかえろ」と 呼んだところ ブルーは
例のごとく ペットボトルのつぶれたのをくわえて
走ってきた。モカは・・とみると 砂をほりかえしている。
そのうち なにかをくわえて 食べ始めた。

浜の拾い食いは 御法度。
たいてい 魚の古いのとか 処理したあとの
頭とか 内蔵とか(どうして そんなものが捨ててあるのか)
フグの干物になったのとか。

「モカー! だめでしょー」と走っていって
掘り返した物をみたら やはり 埋められた魚の内蔵。

モカが 食べながら逃げた。これで 完全に頭にきて
「来なさい!口を開けて!」と ヒステリックに
叫びながら つかまえて 軍手をはめた手で
口の中を かきまわすが すでに 飲み込んで
しまっていた。

こんな時には 叱っても右から左。
よし、あの手しかない! と 以前にやった「無視作戦
「ブルーちゃん 帰ろうね」とブルーにだけリードをつけ 
モカは無視して歩く。

けっして 振り返ったり どこにいるか、と探したりしない。
気配でぴったり後ろについてくるのがわかる。
そのうち 近づきすぎて 靴をふんづけたり(知らん顔)
ちょっと 離れては 走ってくる(知らん顔)。

浜から道路に出るところで ハタと考えた。
リードをつけないで この道を横切ったことはない!
ブルーは 絶対に大丈夫だが モカはどうか?
どうしよう、勝手に走って横切ったりして
車にぶつかったりしたら どうしよう?

ええい のりかかったフネだ(?)やり通そうぞ。

ブルーだけリードをつけて 知らん顔で歩道を歩く。
モカは どうしたか?
ブルーと私の間の定位置に 割り込んで
ちゃんと「つけ」で歩いた!

何度も 何度も 私を見上げて 顔色をみる。
「ごめんね」と言っているようで、そう思ったらもうだめ。

横切る前の「待て」で ちゃんと座り込む。
「よし 渡るよ」で 走りだすでもなく 私を見上げながら
ブルーと並んで 渡りきる。

モカにとって 無視されるというのは
ほんとに つらいことなんだな と感じた。

もう かわいそうで、私を見上げた顔が忘れられなくて
(ふだん そんなことは したことがない)
「モカちゃん 拾い食いなんか もうしちゃだめよ」と
モカを見たら 普段と 全くかわりない「モカ」がいた。

なんで 無視されたのか わかってるのか こいつ。
わかってないな、絶対。








2006年01月13日(金)
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