ことばのかけら
桜子



 変わらずそこにあるもの

雲は その形をとどめない
川は いつも同じ水を湛えない
時は いつしか色を変え
人は 気持ちは 悲しい位変わっていってしまう

木は 朽ち果てるまでその場を離れることはない
窓から眺める姫林檎が 今年も実をつけたことに微笑むのは その為
家は どっしりと構えて人を守り佇む
住み慣れた狭い家を目をつぶってでも歩いていけそうな幸福感

ずっと変わらずそこにあるもの
動かずそこにあり続けるもの
気付かぬうちに それは人に安心感を与えていると
今ようやく気が付いた

いつかは消えていくものばかりが溢れてる
変わらない事の偉大さを思う

2002年06月18日(火)
初日 最新 目次 HOME


My追加