ことばのかけら
桜子



 Prism

ヒトカケラの 今にも割れてしまいそうな悲しみを
誰も彼もが抱えてる
時に それは突き刺さりそうで
私は必死で 身を守る

ひとり ひっそり 涙を流す夜
窓から北風冷たかった
同じ空の下 ちがう痛み抱えた人から
なんでもないふうに傷を撫でるようなコール
心の中で「頑張ろうね」とエールを送った

ねえ 朝が来て 光差し込んで
このカケラにも 屈折しつつも虹が生まれたよ
たった一人 存在を認めてくれる人が
また “生きていこう”と思わせてくれたよ

そうして 顔を上げてみる
…所詮は一人になってやろう だなんて無理な話だったのさ
こんなにも こんなにも
あたたかい眼差しを送ってくれる人たちが居た…

カケラをそっと日にかざした
―――何よりも 美しかった


2002年09月21日(土)
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