++ワタシノココロ++
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2003年04月28日(月) |
ともだちと、馬鹿な不安。 |
やすくんの幼なじみタケちゃんと彼の家族を 我が家に招待した。
料理担当はやすくん。 刺身を引いたり、サラダを作ったり お吸い物を作ったりしている。 こうやって、お客さんのために料理を作るやすくんを見たのは初めて。 仕事をしている男の人は誰でもかっこいいと思うけど いつもと違う真剣な表情で包丁を持つやすくんを見ると なんだか、私の知ってるやすくんじゃないようでドキドキ。 ふと顔を上げて 「これ、運んで」って いつもの優しい眼差しに戻ってたのでちょっと安心した。
タケちゃんの子どものために、何か用意した方がいいんじゃない?ってことで オムライスを作ることに決定。 「俺、チキンライスは作ったことないな」っていうから、 チキンライスもどきを私が作って、卵でくるむのをやすくんが担当した。 それも、ちょっとドキドキ。
とにかく、料理とお酒がそろって 一緒にタケちゃん一家をお出迎え。 タケちゃんとは何度か会ったことがあるけど、それも結婚式だったり 何かのお使いの途中だったりしたので こうしてゆっくり話すのは初めて。 奥さんとは全くの初対面。 普段あんまり人見知りしない私だけど、 何から話して良いのかわからず、緊張しまくり。 でも、タケちゃんはやすくんが言っていたとおり すごく面白い人で タケちゃんの奥さんは、きれいで若くて、そして優しそうな人だった。
こんな人たちと、これからもずっと友達でいられるんだなあ って思うと嬉しくてたまらない。
ふと。
「横浜で会ったときは、あいつ(タケちゃんの子ども)まだ生まれてなかったっけ?」 とタケちゃんが言う。 「そんなことないよ。もう歩いてたよ。こんなに大きくなかったけど」 と、やすくん。 「そうそう。やすくんが良く面倒見てくれてたじゃない」と奥さん。 私が知らない頃のやすくんの話を聞くのは楽しくて好きなんだけど 横浜の話と、伊豆の話は嫌い。
そこに、アノヒトが一緒にいたんじゃない?
今更昔のことを考えてブルーになる必要はないってよくわかってるのに 私1人が知らない話に、アノヒトが出てくるのがイヤだった。 寂しさや嫉妬と言うより、不安。
私とアノヒトの両方を知ってる人たちと会うとかならず感じる不安。
どっちの方が似合ってるって思われてるんだろうな
そんなこと考えたって、何にもならないし 今私がやすくんと一緒にいることがすべてだってよくわかってるのに。 そんな馬鹿げたコトを考えてることに気づかれるのがイヤで 一生笑顔を作ってた。
やすくんが、テーブルの下で手を握ってきた。
視線はタケちゃん達の方を向いたままで でも、手にはギュッと力を込めて。
まるで、私の考えてることはすべてお見通しみたいだった。
手の温もりと、込められた力が 「大丈夫」って言ってるみたいで そんな馬鹿なことを考えてる自分を思ってくれてることが 嬉しくて、恥ずかしかった。
「ねえねえ、このオムライスおいしいね」 タケちゃんの子どもがいう。 「そりゃそうだよ、これはプロが作ったんだから」 と、タケちゃんが言う。
「ちがうんだ。俺、オムライス作ったことないから ききが作ったんだよ」
やすくんが初めて私の方を見る。 握られた手よりも更に強い思いが伝わってくる。 料理を誉められたことと、自分の気持ちと やすくんの気持ちで胸がいっぱいになる。
「いい奥さん見つけたなあ。」
タケちゃんが言って奥さんが笑顔で頷いてくれた。
新しい友達だ。
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