++ワタシノココロ++
index|コレマデ|コレカラ
「ただいま」
疲れた顔をして、やすくんが帰ってきた。 今年のゴールデンウイークは短いと言われてるけど やっぱり、観光地のお客さんの入りは多いらしく 毎日、朝早く出て夜遅く帰ってくるやすくん。
「さすがに今日は疲れたなあ」 テレビを見たいようなことをいってたけど 座ったらすぐに寝てしまうことが想像できたから お風呂へ直行してもらう。
布団を敷いたり、片づけをしている間も お風呂が静かすぎて、ちょっと不安になる。 扉越しに、何度も声をかけた。 やすくんはそのたびに返事をしてくれるけど 疲れてるんだってことがよくわかる、弱い声。
髪の毛を乾かすのがおっくうだったみたいで まだ濡れた髪をタオルで拭きながら出てきた。
「明日と明後日が、ヤマなんだ。それが終われば・・・」
疲れた声でそういうやすくんを鏡の前に座らせ、 洗面台からドライヤーを持ってきて髪を乾かしてあげた。 暖かな風が当たって気持ちがいいらしく 目を閉じて、にこにこしている。 でもその笑顔も、長く続かず 座ったままうとうと眠ってしまっていた。
布団まで私が運んで行ければいいんだけど それはさすがに無理なので、 やすくんを起こして布団で横になるように言った。
「もう、今日は寝るよ」
そういって、ほんの数秒。 もう、寝息を立てている。
家に帰ってきて、やすくんが発した言葉は たったこれだけ。 正直寂しい。でも 寂しい気持ちはぐっと抑えて 明日また元気な顔で出勤できるように 今夜一晩で、またエネルギーを満タンに充電できるように
おやすみなさい。
ゆっくり眠ってね
|