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2003年05月14日(水) 最後の瞬間。

昨日、ニュースでSARSで奥さんと子どもを一度になくした男の人が
放送されてた。

お腹の中に初めての命を宿して
その誕生を楽しみにしていたのに、
働いていた病院で、あの恐ろしいウイルスに感染してしまった奥さん。
必死に出産したにもかかわらずその子どもの命はわずかで絶え、
奥さんも、結局ウイルスに命を奪われてしまったそうだ。

愛するモノを一度に失ってしまった旦那さんは、
産まれてきた子供を1度も抱くことができず、
苦しんでいる奥さんを1度も励ましてやることもできず


そして、


奥さんが旅立ってしまった後に
最後のお別れを言うこともできず



次に対面したのは

変わり果てた姿で、小さな箱に収まってしまった奥さん。

旦那さんは力無く泣き崩れ、その場を動くことができなかった。






未だはっきりしたことが分かっていない今、
日本では
もし万が一あの恐ろしいウイルスに感染してしまったら、
たとえ家族とはいえ、面会も許されないと言う。
そして、命を落としてしまったとしても
家族に体を引き渡すことなく、
24時間以内に遺体を「焼却処分」すると言うことが決まっているらしい。








「切ない」と言うだけで表現するには
あまりにも悲しすぎるその光景を
私たちは2人で見ていた。

やすくんは、その男の人を見ながら
「・・・かわいそすぎる」
と一言言って、黙り込んでしまった。


私は、その男の人をみながら
いつか来る「別れ」のことを思った。

どんなに寂しくても、涙を流すだけ流しても
頭を優しく撫でてくれる手が
優しく包み込んでくれる腕が
いつも見守ってくれる優しい目が

冷たく、動かなくなる瞬間がやってくる。



そんなことを想像するだけで
胸が締めつけられて、鼻の奥がつんとしてくる。


想像するだけでもそのくらい辛いのに



テレビの中の男の人は

夢でも想像でもなく、逃れようのない現実として

突然の別れと遭遇し、

そんな奥さんに触れることもできず

お別れさせられたんだなあと思うと

言いようのない悲しみが、胸の中に広がって辛い。





いつその瞬間が来てもいいように
毎日を大切にしていきたい、って
いつかの日記で書いたけど


その瞬間が
なるべく遅くなるように
そしてなるべくなら
十分に最後のお別れができるような
旅立ちの仕方をしたいと

一人で思った。











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