:::排出系列:::




俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。





2003年12月03日(水)  「言葉」

言葉が嫌いだった
巧く伝わらない・上手に喋れない・何かが足りない
そんな感情を呼び起こすのは 決まって口から滑り出す言葉達
当惑する私を横目に
微笑みを返す・忌々しそうな罵声・取り違えられた意味
それらの結果を齎すのも 決まって口から溢れ出た言葉達
 
苛立ちながらもそれ以外に伝達手段を知らない私は
今日もこうして 文章に翻して言葉を繋ぎます
 
ありがとうもごめんなさいもこんにちはもさようならも
文章にすれば簡単に伝えられるのに
口から滑り出すと 私の表情・感情
それらまでもが無駄に付き纏い 上手に何も伝えられずに立ち消える
 
言葉は嫌いだった
「だいすきだよ」が嘘に聞こえたあの日
私は言葉を放棄した すべての欲求は 自分を傷付ける事に成り代わり
私はもう何を伝える事も 何かを聴きとってしまうことも放棄した
 
けれど私は聾唖ではなく 結局すべては情報へ換算される
「死ねよ」「産まれてこなきゃよかったのに」「愛してる」
都合の悪いものだけを真実だと受け取るようになってしまった脳は
前に進む事無く 後退し続け 最期には腐敗した
 
私の中にある軸は歪み「言葉」を疎んだ
どんなに疎んでも付いてきた言葉は どんなに憎んでも着いて来た言葉は
今でも私の傍にあり 時に私に傷をつけては
解体されゆき 何処かで何かの情報に いつもどうにか換算される
伝達手段に言葉を選び此処まで進んでしまった私は
もう 言葉を放棄する事は出来ないのだと思う
死ぬまで 何かを内包した言葉と向き合いながら
それでも私は言葉を発し 時に誰かを傷付けては
それでも歩んでいけると思う
 
どんな言葉もいつかは解体されて 空に帰る
きっとそれは ずっと遠い未来の話
続いていく 歪みながら私の中に在る軸
 
言葉が嫌いだった
だけど言葉が存在していてよかった


kei ☆メール ☆少女カタルシス



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