:::排出系列:::
俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。
あの日の空気はまだわたしの肌に貼り付いて離れないでいる 苦しさも空虚感も結局は後から訪れた感情で その瞬間には 悪意もない決断と意思のみで回っていた 先生 隈無くわたしの体を調べたら あの日の傷が残っていますか? 自己満足であの子のためを祈った 自己満足であの子のためを奪った 毎年同じ夜 同じようにわたしは懺悔を繰り返し 安らかであればいいとそれだけを願う あの日着ていた服に染み付いてしまった欠落感に堪えられなくて リサイクルセンター送りにした 先生 私の中に生命が息づいていた証拠はありますか わたしの傍にある温かな一つの生命が あの日の出来事を忘れさせずにいさせてくれる 忘れたくない 決して風化させたくない 生命の誕生の場で消えた ちいさな灯火を
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