全体的な印象としては『ダンスってこんなにもセクシャル…?』という一語に尽きます。 『歌のないミュージカル』と聞いてましたが、本当にその通り…。 歌も台詞も少ない…というか、ほとんどないけれど、その分ダンスの比重が高く、それだけですべてが表現されるようだった…と言えるでしょう。 『歌のないミュージカル』ではなく、『歌のいらないミュージカル』…かもしれないと思うのです。 歌も台詞もなくても、ダンスだけでストーリーが伝わるのは『オーヴァー・ザ・センチュリー』で体験済み。 実は、『オーヴァー・ザ・センチュリー』を観た時から次は『コンタクト』の上演を目論んでるのではないか…と密かに思ってました。 と言うより、『コンタクト』を今の日本で上演できる劇団は四季しかないと思っていたというのが本当のところです。(^^;
Part 1:Swinging 絵画から抜け出たまま…というか、絵画の裏話を見るようなPart 1。 ブランコに揺られながら、押したり引いたりの恋の駆け引きが展開されます。 ブランコに揺られてるだけであんなにも動きのヴァリエーションがあるとは思ってもいなくて、全然退屈してる暇すらなかったです。
Part 2:Did you Move? 気難しそうな旦那さんとその奥様…ほんの僅か席を立った間でさえ、奥様がウェイターとすら話をすることを許そうともしない。 そんな奥様は夢想の中でだけ自由に踊ったりします。
Part 3:Contact マイケル・ワイリーの授賞式。華やかな成功者なのに、内面は荒廃して、自殺を試みる。マイケルは、街をさ迷い、とあるバーに入る。そこでは刹那の快楽を求めた男女がダンスに興じていた。そこで、黄色いドレスの女と出会って…。 てなストーリーでした。 あの鮮やかなステップを見せてくれる加藤さんが『踊れない男』を演じると聞いた時にはびっくりしたものですが…本当に踊らなくて…途中、かなりじたじたしながら観てました。 しかも、『踊れない男』という設定だから踊り出しても軽やかには踊ってくれないんですよね。 踊れないふり…しかし、『あの加藤さんが…!』と思うとそれもまた可笑しかったです。 ブロードウェイでは本当に踊れない役者さんがやっていたのに、日本では加藤さんにやらせちゃうというのも思いきった話ですね。
全体を通してやはり注目すべきは、アンサンブルの質の高さ。 カンパニーがこれほど纏まってるのも四季ならではでしょうし…ふと、舞台の端に目がいってもちょっとの間さえも気を抜いてる人がいないというのは観ていても気持ちがいいものです。 …そんなことしてたら、即、他の人と交代させられるんだろうな、この劇団は…。(^^;
また、前の日が雨だったために夜遊びを止めて(笑)、早々にホテルでくつろいでいたのですが、その時ちょうどTVで『コンタクト』の特集をやっていたというのもじつにタイムリーでした。 (^^)予備知識も仕入れることができて、観劇もより楽しかったです。 それに、幕間…ビュッフェの方をのぞいたら、春劇場の『ライオン・キング』の歌が聞こえてきて、得した気分になりました。(笑)
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