Stage Diary
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Yoshimi.Aが観た舞台の感想です。
レポートではなく感想だけを載せてたりすることが多いかも…。(^-^;


2003年11月09日(日) 『十二夜』

『十二夜』…昨日に引き続き、またしても開演前には『携帯切ってねソング』(勝手に命名)がナマ歌で流れました。最初、何のパフォーマンスかと思って楽しみにしてたのに。(『シンデレラ』の時は王子様を探してたから、またそういうのかと思った)
…そうだね、悪名名高い帝国劇場だものね。<失礼だけど、おばちゃんたちのマナーの悪さは目に余る!
でも、これって『十二夜』の時しか使われないのかしら?
今後もずっと帝劇の『携帯切ってねソング』(勝手に命名)で使われたらいいのに…。
『十二夜』でしか使われないなんて、もったいないよね…。ついでに2番で上演中にジュース飲まないでとかズズッとすすらないでとか、3番で飴の包みをがさがささせないで…とか、延々続けてくれないかしら。

マナーの悪い客が撲滅されるその日まで(笑)。

ま、それはともかく、念願の『十二夜』!しかも、ミュージカルですよ!
ああ、あちこちのアンケートで『十二夜』が観たい…と、しつこく書き続けた甲斐がありました。ああいうアンケートってちゃんと見てくれてるんですね!(感動)
じゃあ、次は『ジェーン・エア』と『プロデューサーズ』をお願いします(笑)。

初演だからどうかな〜と思いつつ、あの出演者の豪華さかげんは何なんだ…と思いながら、観に行ったのですが、大当たりですよ!すごく楽しい〜!(*^^*)
嗚呼、呪われた演出家でないということはこれほどまでに楽しいものか。
でも、ちょびっと難を言わせて貰うのなら…シェイクスピア作品はあの畳み掛けるような台詞群に圧倒されてしまうのが常なのですが、ミュージカルだからそれがなくって、初心者にはわかりやすいだろうけども、シェイクスピア好きには物足りない結果になってたと思います。
あの台詞群を歌詞にもうまく生かせればよかったんでしょうけど…流石にそこまでは難しいですよね。(『キス・ミー、ケイト』も畳み掛けるような台詞はなかったけど、あれは劇中劇が『じゃじゃ馬ならし』で、直接的にはシェイクスピアと言っていいものかどうか…(^^;)
最近、ようやくあの畳み掛けるような台詞を楽しめるようになってきたから、なんだか物足りない気がしてなりません。<あれば余ってるような気になるものなのでしょうが。

しかし、そんなことを差し引いても!楽しかったです。面白かった。
ミュージカルというよりは某ねずみのマジックキングダムのショーのよう…ではありましたが、ダンサブルで衣装も出演者もゴージャスだし、楽しかったです。
『こういうのがミュージカルの醍醐味なんだ!』っていうのを充分に味わえた演目だと思います。
キャストはすごい…いくら初演だって言ってもこれ以上はないくらい力の入ったキャスティングだと思います。東宝の『この作品は絶対に失敗させるもんか』っていう意気込みが透けて見えました。<…でも結構、チケットが余ってたみたいですけど〜♪〜( ̄ε ̄;)

ヴィオラ(シザーリオ)に大地真央さん…ヅカ時代からファンだった方にはたまらない役でしょうね。清冽な男装姿に加えて優雅なドレス姿まで観れるのだから。
ただ、真央様音階とでもいうのか…『ローマの休日』や『風と共に去りぬ』と音の上がり方が同じ…なんで、どこかで聞いたような印象が拭えない。それが一本調子で平坦な作品に成り下がってる原因でしょう。
真央様はそんな気を使ってもらわなくちゃできないような方ではありませんよね?
中盤で綜馬さんと踊るシーンはひらひらと美しい一対でしたが…真央様が早変わりするまでのダミーの方のが胸が大きかったので、こっそりと笑ってました。(^m^)

ヴィオラの双子の兄のセバスチャンに岡幸二郎さん…『十二夜』における一番の醍醐味は双子の入れ替わりでしょうね。
『いくらなんでも岡さんと大地さんが双子なんて無茶だけど、舞台の上ならそれもありか…』という程度でいたのですが、ある場面を観た時に大きく納得しました。
それは岡セバスチャンが『僕の妹なんだから美しいに決まってます!』って言い放った時。(細かい言い回しは違っているかもしれません)
その前に大地ヴィオラが男装して綜馬公爵(笑)に仕官しようっていう時に女のままだと公爵に『いいえ、言い寄られるに決まってます!』ってきっぱりと言い放った時の様子をリプライさせていたかのような場面だったのですが、その時に『外見で双子ってのは難しくても魂の双子としてなら充分だ』って思ったものです。
…可笑しいよ、岡セバスチャン。
…黙って立ってればいい男なのに。
…しっとりと歌っている時はとても素敵なのに。
でも、そんなあなたが大好きです(笑)。
それと同時に大地さんと岡さんだからああいうキャラクターを作れたんだろうな…ということもよくわかって、やはり今のミュージカル界にはどちらも必要なんだと実感しました。
ただ、ネームバリューばかりが先に立つような舞台にはしてほしくはないけれど。
しかも、双子だから岡セバスチャンと大地シザーリオは同じデザインで微妙に違う衣装を着てらしたのですが、衣装の細かな模様までも見える席だったせいもあって…じっくりと見た衣装は…何げに大地シザーリオの方がお金かかってる気がする。
いや、しかし…岡セバスチャンの方が布はいっぱい使ってるし、一概にどちらの方がお金かかってるとは言えないかもしれない。
でも、1メートルあたりの値段はきっとあちらの方が……(^^;

いやいや、そんなことばかり考えていたわけでなく、感動的な双子の再会にほろりとしてましたとも。
笑うところでは思いきり笑わせてくれて、ほろりと感動も忘れない…実に素敵な作品ですよ。

オーシーノー公爵に鈴木綜馬さん…長い髪にお髯姿。もういい加減お髯もなれたので、言うことなんてありませんが、観るたびに『この歌声のために劇場に来ているのね…』と思わずにはいられません。
この方は総じていい役に恵まれているというか、そういう役ばかりを選んでいるというような印象がありますが、今回もそうでした。…美味しい役ですね。
大地さんとの掛け合いで笑ってしまいましたが、コメディなんだからそんなに照れずに馬鹿になっても平気なのでは…と思う場面もあり(笑)。
…そういえば、『チャーリー・ガール』に続いてまた愛華さんに振られる役でしたね。
一路さんにも振られてばかりで、『キス・ミー、ケイト』でも最期はああだったけど、序盤から振られ男の印象が強かった…今度また『エリザベート』で振られちゃう役だし…こういうのって続いちゃうものなのでしょうか?
いい役にはあたっても、振られ役ばかりなのって気になりますね。
…プライベートでそうならずによかったですね。<奥様はとても美人(^^)

伯爵令嬢に愛華みれさん…兄の死に沈む伯爵令嬢とのことでしたので、しっとりな役柄なのかと思って、チャーリーの快活なあの役が好きだったので、あの綺麗な足を見ることができないのかと思って残念でしたが…しっかりとダンスシーンがありました!
いや、綺麗な足だとかいってますが…そういう趣味な訳ではないです。
ただ、それもひとつの見どころだと思ってるだけで!
やはり、お楽しみのツボは押さえてくれている方が嬉しいし、ミュージカルにダンスは欠かせないと思ってるだけです。

伯爵家の執事、マルヴォーリオに上條恒彦さん…厳格な役どころで他の人が騒いでたりしていてもピシッと舞台を引き締めてくれますが、コメディだからそれに留まらないのです。間近で聴くと迫力のある声なのに、可笑しかった…。カーテンコールの時まで不機嫌そうでした。何かいやなことでもあったのか…それとも、この執事の役に徹したままなんでしょうか?

道化師に川崎麻世さん…前に観た人から『この役は突き抜けてるよ』って聞いていて、どういうことなのかイマイチわからなかったのですが…納得しました。
すごく楽しそうに生き生きとして舞台に立ってらっしゃいました。
確かに『突き抜けて』ました(笑)。

猫に本田美奈子さん…なんだか話の流れの中で猫はいらない気がします。
これは、猫が綜馬さんに可愛がられていたからという理由では決してなく!
道化がいるんだからそれで充分じゃん…という気がする役どころなのです。
とはいえ、本田さんの歌声も美しく、いい曲を貰っていたのでそれを削って欲しくはありませんが。
ちょっと声が細くてスタミナがなさそうだとは思うけど、まあ…お臍を出して歌ってた頃よりは今の方が好きですが。でも、役柄的に消化しきれてないので…あってもなくてもさほど変わらない役柄…という印象の方が強くて、存在の意味を見つけ出せなかったのが残念。

伯爵令嬢の叔父に安崎求さん、その腰巾着フェビアンに治田敦さん、伯爵令嬢の求婚者に山形ユキオさん、伯爵令嬢の侍女に鷲尾真知子さん…などなど面白い方ばかりでした。この方たちが集まった場面というのはとにかく笑える!
役柄的な面もあるんだけど、それぞれが面白い!
やはり、コメディって、巧い下手が一番にわかるから、こういった巧い方にこそ、コメディはやってもらいたい…そう思いました。

しかし、アンサンブルの多いこと…ここまで多い意味はあるのかと思いながらも、総勢50人の舞台は見応えありました。…でも、普通は40人未満だよね。(^^;
『タイタニック』でも出演者が多いと言われていたのにそれ以上か…すごいなぁ。

最初、強引にシザーリオに迫る女領主は大地さんで、シザーリオが愛華さんだと思ってまして…(^^;…その役柄が逆だと知った時は自分の考え違いに眩暈すらしたものですが…それはそれで観てみたかった気もします。
あの脚本では無理でしょうが、あのキャストなら逆でもいける!…と信じている。

ちょっと、テーマになる曲のパンチが弱いと思わないでもないと思うけど、綺麗で繊細なメロディラインが紡がれていました。すぐに気に入った私は幕間に早速CDの申込をしました。
…綜馬さんの登場の場のソロの曲が好きなんです。
といいながら、もう一度聴きたいと思ったものは『ダンス、ダンス、ダンス』でした。でも、劇場を出るときに頭の中をぐるぐると回っていたのは『メッサリーン』!
全体的にいいんだけど、綺麗なメロディラインなのに『四重唱』としかつけられてないのが不満。
そりゃー、どうしようもないくらい的確なタイトルですけど、なんだか味気ない…。もう少し、つけようがなかったのでしょうか…。

舞台装置なども、ゴージャスで大掛かりな装置でした。
すごくよく考えてあって場面転換がスムーズだし、船のシーンも迫力がありました。
面白い仕組みなんだけど、あんなに大掛かりなものにされちゃったら中日劇場には入らないかもしれないっていうのが心配の種。最近…この規模なら名古屋でもやれそうとか、これは無理だろう…とか考えながら観てしまうのが悲しいところです。
でも、きっと梅田ではやれるだろうから今度観るのは梅田かな…とか考えてる自分がいた(苦笑)。
でも、ほんとに近年観たオリジナル・ミュージカルの中ではかなり上のランクに来るくらいに面白かったし、好きになりました。

絶対に、また観たい演目ですよ、これは…!


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