鼻くそ駄文日記
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2003年09月09日(火) 短期集中連載・プロ野球? 好きですよ、多分1

 もし、あなたがいま、どの球場でプロ野球を見たいですか? と訊かれたらどう答えるだろうか?
 日本中の多くの野球ファンは、東京ドームの巨人戦と答えるだろう。
 甲子園の阪神ー巨人戦も人気のカードだ。
 福岡の人なら、福岡ドームのダイエー戦でめいいっぱい応援したいと思うかもしれない。
 だけど、ぼくとしては関東・関西のパ・リーグの試合をお勧めしたい。
 ぼくは関東、関西のパ・リーグの試合が好きだ。これにはぼくの原風景が深く関わっている。
 福岡に生まれたぼくにとって、プロ野球とはいまは亡き平和台球場で見るものだった。
 ただし、ぼくが生まれた1977年にクラウンライターライオンズが身売りしているので、ぼくには常勝西武の記憶はあっても、福岡のライオンズの記憶はない。ぼくの知っている平和台は、いろいろなチームの試合(といっても中心は西武だけど)が年に四十試合程度、行われていた地方球場だった頃である。
 その当時、父親によくロッテ戦に連れて行ってもらった記憶がある。
 おそらく1984年から86年にかけてのことだと思う。西武が黄金時代に入る直前だ。監督が福岡のオールドファンからはいまだに「神様・仏様・稲尾様」と言われている稲尾和久(現・福岡ドンタクズ監督)だったので、父はロッテ戦を好んで見に行っていたのだと思う。
 ぼくは平和台で、落合(現・解説者)やリー兄弟(兄のほうが現・オリックス監督)がぽかすか打ちまくるのを見て、楽しかった記憶がある。
 しかし、しょせんはロッテ。たとえ、稲尾であろうがロッテはロッテ。スタンドはがらがらで、応援も西武なんかに比べると地味でしょうがなかった。
 だけど、だからこそ純粋に野球が楽しめた。まあ、ぼくが子供だったからということもあるけど、野球をライブで見られるというだけで感動していた。
 がらがらのスタンドは、気が向けばいつでも最前列で見ることができる。父親が「上のほうが見やすいから」と言って、上の席を取っていても、ぼくは落合が打席に入るとネット際まで走って降りていっていた。立ったまま見ていると「坊主、座れや」と酔っ払いから怒られるけど、いまみたいにバイトの警備員から追い払われることはなく、階段に座れば誰も文句は言わなかった。
 試合が進み、少し飽きだすと今度はブルペンだ。平和台球場は内野と外野のスタンドの間にブルペンがあって、控え投手の投球練習をいつでも覗くことができた。
 チームが守備に入ると、ブルペンから「どすん!」というキャッチャーミットの音が響く。
 走ってブルペンにいくと、プロのピッチャーの剛速球が目の前を走っていく。
 プロのピッチャーの球は、テレビとぜんぜん違って大砲の弾のように投げられていた。
 いまは、このようにブルペンを間近で見られる球場はほとんどないが、がらがらのスタンドで野球を見る機会はある。
 それが、関東・関西のパ・リーグなのだ。
 ちなみに現在九州在住のぼくには、関東・関西のパリーグを見る機会は年に数試合しかない。
 だから、ぼくは最近めっきりJリーグ党になり、がらがらのサガン鳥栖を見に行っている。


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