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2001年08月10日(金) |
ミスタームーンライト〜月光旅人〜2 |
テレビの印象が悪かったのもあり、まぁ「う、その、語りは・・・」と思う場面もあったけど(それが、ナレーション役もかぶってるから、第1声だったけど)、役者たちは、それぞれの持ち味を生かしつつ、いい感じに仕上がってたと思う。やっぱり、どうしても西川と上川の上手さが目立つけど。 あと、演出的に、固定セットを、別の空間に見立てるというのは、テクニックがいると思う。図書館がばーん!とあるのに、そこを茶の間、大学の研究室、警察、病院、などと思わせなくてはならないのだから。でも、ちょっと、出入りが煩雑というか、右へ左へ「走ったもん勝ち」的印象を受けた。もちろん、こないだの「Vamp Show」も、出入りは激しい。でも、そこは「駅舎」という空間設定が変化することなく、必要があって人物は上手へ下手へ、奥へ、と動く。「テキサス」もそうか。(ま、なんで、みんなマサルの家なんだっつーのは考えどころかもしれないけどね。)心理劇のようなもの以外、大抵は、人の出入りによって、出来事があって、物語は進行する。その出入りがどれくらい不自然でないか、目障りでないか。難しいね。作る人。
上川は、TVでは役柄が固定されてきてるのでもったいないなぁ、と思う。「TVでも、こういうところを見せて〜!もったいないよぉ。」というような、ダメダメ、ふにゃら〜って、毎日、夢見がちに生きる(SF小説の懸賞応募をねらっている)、図書館司書、鹿島役。ぼさぼさ頭で、遅刻・早退、多し。その彼が巻き込まれていくように物語は進む。中心にいる彼は、ぼさっとしていて、でもひきしまる。躍動感、間合い、自然さ…。鹿島という役になっていて、TVとは違う上川が見れて、お得でした。
そうそう、その肝心の物語。主役は「月」かも。月は、あんなに美しく人を魅了しつづけて光っている。だけど、あれは太陽の光を反射しているだけ。作家の成井豊は、自分のリスペクトする人を、自分が語り継ぐこと、反射することで、そのリスペクトする人の光を、別の誰かに届けられたらいいんではなかろうか、と考えていて、それを頭において、この作品を書いたらしい。真夏にふさわしい(?)幽霊が出てくる話だけど、少しもおどろおどろしくはない。映画「ゴースト」の、デミ・ムーアやウーピー・ゴールドバークの側から見たら、どうなるのかな?って考えたらしい。なるほど。
東京公演はこれからなので、行く人はネタバレ注意で、読んでいきたくなった人は、必死でチケットゲットしてください。アンケートに「今、友人に観劇後すぐの感想を一言伝えるなら?」という設問に、私は「なんか、泣いちまったよぉ」と書いて帰ってきた。そんな作品。
え、だから、ストーリーね。 物語の主軸はシンプルだ。(私が語るのでなければ・・・)半年前、大学の友人とスキーに出かけた結城かすみが、事故で亡くなった。彼女には兄(大内厚雄)がいた。兄は、運転していた古河(佐藤仁志)が許せなかった。かすみは霊になり、兄が、昏睡状態の古河の機械を止めようとするのを目撃する。いずれ兄は彼を殺すかもしれない。そう思ったかすみは、兄を見守る。そして半年が経ち、古河が、同乗者で、スキーツアーを計画した葉月(岡内美喜子)と、「許されなくても、とにかく謝りたい」と、結城との面会を申し出る。結城の妻で、かすみの義姉・都(岡田さつき)は、とりつごうとする。しかし、結城は二人には会わずにナイフを購入する。それを見て、かすみは、もう時間がない!と察する。まず、都に憑依し、自分の思いを伝えようとする。しかし、着実に現実の階段を昇ってきた、若き建築科の助教授、妹の死に執着している結城にはそれが信じられない。都が、古河と葉月を許すためにしくんだ芝居だと思い込む。なんとかしなければ、焦るかすみにふと、幼い頃の記憶が蘇る。兄は何でも一人で出来る人だった。だから、友人らしい人はいなかった。逆の意味でういていた鹿島(上川)が、唯一の友人で、子供だったかすみにピアノを弾くきっかけを与えてくれた人。そして、ただ一人、事故の記事を頼りに、彼女達の田舎まで、兄を励ましに、自分の死を悼みに来てくれた人。・・・彼のいうことなら、兄も信じてくれるかもしれない。かすみは、鹿島の体を借りることにする。
残念ながら、続きはまた明日。(どうしてコンパクトに書けないかしら?)
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