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2001年08月19日(日) |
「少年たち2」 大人も迷子2 |
「少年たち2」では、広川(上川)は家事担当になる。ここの裁判官が、山崎努で、変わり者で通っている。思うようにやってみろ、と、着任早々の広川に暴行罪の少年。器物破損の少女。離婚。幼児虐待。この4つの担当にする。規則、規則、堅物の主任(加納幸和)と、裁判官と、広川の中を取り持つのが、書記官(木野花)。なんて、豪華なんだ!! <余談だけど、加納さんは劇団「花組芝居」の主催者で、女形したら、ぴか一なのよ。(この役どころでも、嫌われ役を買って出ているようなところがあって、その微妙さが、うまく出ていました。・・・スゴク上手いんだけど、深刻なドラマなのに笑っちゃう)木野花さんは「元・劇団青い鳥」こっちは女性ばっかりの劇団でしたね。パワフルなんだよ。素敵な女優さんだわ、この方も。この二人の間が、絶妙やね。> 少女は実は妊娠していた。黙秘を続けていた少年の事が、そこからときほぐされる。少年の暴行の相手が少女の父(中村育ニ!)だったのだ。少年は、「心を無にする。心を殺す訓練をしないと、大人の社会で生きていけない」と広川に話す。広川は「それは違う。君は、大人の心は既に死んでいると思っているが、それは誤解だ。大人だって弱い。でも、何故強くなれるか、それは、心が汚れているわけでも、殺しているわけでもない。愛する人がいて、その人を守りたいと思うから強くなるんだ。」
実は、少年の父は市の有力者で、(妻に逃げられてから自暴自棄になっている)少女の父に、交際を止めさせるようにと、お金を渡していたのだ。でも、父をかばう気持ちも強く、少女に頼りきりの不甲斐ない、金を受け取ってしまう少女の父に暴行を加えたのだ。少女は少女で、誰にも言えない、妊娠を、一人で抱えきれず、誰かに知って欲しくてわざとつかまるように、コンビニで暴れたのだ。まず、少女の父が広川の説得で折れる。 一方、離婚調停中、子供の目の前で、財産分与だ、お互いに異性がいるだろう、となじりあう夫婦を、子供が、広川に「パパとママを訴えます」と言ってくる。その内容は、求めるものは「ただ自分達への愛、4人の生活」そう言われて、夫も財産目当てで結婚したわけじゃなし、妻も夫の浮気が止まればいいと、親子4人帰っていく。しかし、数日後、家にいても、生きている実感がないと、夫は自分の経営するパブ(?)に寝泊りするようになる。(この夫、缶コーヒーBOSSで、困ってた人だよ!) 幼児虐待は、近所に住む聾唖の女性(中本奈奈)から、家庭裁判所の広川に相談がいく。子供同士が同じ保育所なのだ。しかし、妻に突然逃げられて、自分も親を知らない若い父は、一生懸命働いて育てようとするのだが、娘の愛し方、伝え方がわからなくて、やけになっているだけで、実は、娘のやけどの跡は、逃げた妻がしつけにと、つけた跡だったのだ。それを止められなかった自分も同罪だと、広川に責められても、実際、病院からの通報で警察に行くまでは黙っていたのだ。暴力から何も言えなくなっていた娘が、連行される父の足元にすがり、泣きながら、「これは、母ちゃんがやったんだ。父ちゃんは悪くない」と叫ぶ。
延期申請していた少年の審判の前日、これは、職務を離れて、ということで、山崎(裁判長)が、飲み屋に、少年と少女の父、自分探しで、抜け殻になっているBOSSの人。そして、広川を呼ぶ。少女の父は、随分改心ししているが、問題は、少年の父だ。山崎は自分も子育てに失敗したと話し出す。二人の息子に自分と同じ裁判官になって欲しかった。しかし、一人は反発し、事業を始め、もう20年音信普通。お互い、必要とし合っているときに、交流できなかった、と。そして、もう一人は死を選んだ。「なぜ、あなたのような人が二人目にまで」思わず、少年の父が問う。山崎は「あなたにそれを気づいて欲しかったんです」 BOSSの人から、「そんなあなたの生きがいは?」と聞かれ、山崎は、「私と同じ失敗を繰り返さない人が少しでも減るように、指導できる仕事があることかな」と答える。こんな裁判官いるのか?っていう風情なんだけど、そういう事情の前は、普通の裁判官だったんだろうね。 広川は、逆に子供の頃、両親とうまく心の交流がはかれなかった子供。1では、母との曖昧な記憶が少し蘇り、2では、父との記憶を思い出しかけるが、それは、夢だった。彼が、必死になるのは、自分も親子関係をうまく構築できずにいた子供だったからだろうか? そして、山崎のいう通り、大人も弱い。2では、どちらかというと、「少年たち」というタイトルのままではあるが、その親にスポットが当たっているような気がして、とてもいいと思った。 いい親になんて、最初からなれない。子供に親にしてもらうんだ。失敗したけど、子供を育てたことはよかったと思っている。大人も迷っている。大人が「背中を見て育つ」という子供に、その背中をみせてやれないんだから。子供はもっと迷うよね。でも、子供も、いつまでも子供じゃない。自分で、本当になりたい自分の気持ちを決めていく。自分で決めるってのは、一番しんどいことだけど、それをしていくしかないんだ、とも山崎の台詞にはあった。「自分で決められないんでどうするんだ?」決められないまま、大人になった大人が、自分の本当の心の奥の観察をないがしろにした大人が、迷っているのかもしれないね。
幼児虐待というよりは、麻薬に関係していないかと、取り調べられていた若い父は釈放される。そこには、児童相談所から、近所に二人を見守ってくれる親子がいるので安心だと、帰された娘がまっていた。「段々、父親にならせてもらうんです」という、広川の言葉も後押しに、二人は仲良く帰っていく。 また、子供側から、パパに会いにきたBOSSの人も、実は妻も一緒に来ていて、「ここにいても心ここにあらず、なら、家に帰ろう」そう言われて、帰る事になる。
保護観察の処分になった少女を、少年(彼も保護観察処分)が迎えに来ていた。彼が連れて行った場所は、あの子供達の通う保育所。そこでは、二人の結婚パーティが準備されていた。保育園の園長(高泉?)が、場所を提供してくれた。園の前まで来ていた少年の父は、結局かえってしまったが、そこには、ベールを花嫁に渡す、笑顔の(幼児虐待沼に陥りそうだった)娘の顔が。そして、聾唖のダンスグループによるブームの♪風になりたい♪が、余興として披露される。少年はあの日父に言ったのだ、父の望む僕の将来は、僕が望むものとは違う。愛する人を守る事だ。それが実現へと一歩進んだ。
1が、3年前の設定で、上川は、沖縄転勤になった麻生に、必ず会いにいく!ってとこで終わってたのね。一番気になってたのはこれだったりして。最後は、事の顛末を書いた手紙を読むシーンで終わる。「はじめから親を愛さない子供はいない。子供を愛さない親も。そして、海を渡って、必ず会いに行くと言った約束は、必ず果たします。待っていてください。」始まる前に、お別れが来ちゃった恋愛だったけど、広川(上川)には、それを続けていて欲しかった。キャラ的に。だから、安心して、見終わりましたとさ。
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