||〜*…clover…*〜||
There are all in one.
◆cloverに出てくる人々◇|*|◇エンピツ書きに48の質問◆
ガッシャーン。 願いどおりにそれは止まった。ただし、川に突っ込んだ状態で。
「うう……いったぁ…」 「こういうときはブレーキかけるんダヨ!ブレーキっ!」 「そっ、そうか、ブレーキ!」
ぽたぽたと全身から雫を垂らして彼は立ち上がった。川に漬かった赤い自転車をなんとか立てようと苦戦し、……しかしその力のかけ方はド下手糞である。 自転車が斜めに持ち上がったもののバランスを崩し、再び彼は川の中へとリターンズ。その瞬間、ついに彼女は動いた。 とっさに反動をつけて立ち上がると、スニーカーが濡れるのもかまわず浅瀬へと立ち入る。細い手首に似つかわしくないほどの力で彼の人物の襟を掴みあげ、彼女は、言った。
「何やってんのこのばか!!いいから早く立ちなさい!」 「ぐぇ」 「ぐぇじゃないわよばか!手紙が濡れるでしょうが!」 「ぞっ…ぞうがてがmぐえげほ」 「ぐえげほじゃなくて!!」
「……あのーまずは貴女がその手を離さないと」 そんな光景に水をさしたのは、ニクである。 おそらくこの事態を一番冷静に眺めていると思われる。
「……そ、それもそうね」
そこで彼女は手を離し、
「ぐぎゅ」
ばしゃーん。 おやくそくどおり、彼は三度川の中へ。
「何やってんのよばかああああ」
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