解放区

2013年01月24日(木) ある内科医師の道程

1年目

学校で学んだことがほとんど役に立たず、看護婦さんからも馬鹿にされる日々が続く。患者さんを診察しても鑑別疾患も浮かばず、「風邪」や「インフルエンザ」や「胃腸炎」などのありふれた疾患の患者を診るとホッとする。良くわからない場合はすぐに上司に丸投げ。

2年目

ありふれた疾患はだいたい診れるようになり、少し珍しい疾患にも興味が出始める。外来をはじめて、入院患者とはまた異なる問題を知る。癌の末期や治療の甲斐なく亡くなられる方もちらほら出てくる。

3年目

一通りの疾患は経験し、逆に風邪やインフルエンザや胃腸炎などに食傷気味になる。さらにマニアックな世界を知るべく専門的な勉強を開始する。大きな手技もだいたい一人でできるようになる。

4年目

研修医の中では上級になり、1−2年目研修医の指導は一通りできるようになる。夜間当直も一人でこなせるようになる。内科認定医の試験を受ける。

5年目

まだ一人前ではないが、ほぼ一人で業務は回せるようになる。そろそろ表だって文句を言う看護婦さんがいなくなる。

6年目

外来・当直・病棟の業務に支障はなく、業務がルーチンになりはじめる。会議や医学書の翻訳など臨床以外の仕事が入り始める。また、新たな刺激を求めて大学院に進学する者もこの前後に多い。

これ以降は、一般病院であれば中堅どころとしてばりばり働くことになり、選んだ専門分野の専門医を目指す。大学院に進学した場合はアルバイトをこなしながら数年研究三昧の日々を送る。


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