解放区

2014年02月18日(火) 既視感

目取真俊の「水滴」を読んだ。

この小説は、出てすぐのてめえが大学生の頃に一度読んだことがある。その時は「まあ面白いかな」くらいの感想しか持たなかったのだが、今回読み返してかつての自分を恥じた。正直、人生の中で、短編としては三本の指に入るくらい感銘を受けた。

これは「沖縄」を経験したからということもあるのだろうと思う。「呆気(あっき)さみよー!」という言葉の意味がこれほど深く入ってくるとは。そして物語の深さ。本当に、こんな小説が書けたらいいね。







「舟を編む」を映画でみた。正直detailがいまいち。原作を読んだらまた違う感想になるのかもしれないが、映画としては脚本が圧倒的に駄目だと思う。ただし音楽は素晴らしかった。あと、辞書を扱うと言うのも着眼点としては面白いと思った。なんて上から目線ですみません。


どうでもいいがてめえの好きな辞書は「新明解」でございます。辞書とは思えないこの切れ味が素晴らしい。


れんあい【恋愛】 
 特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態 (第4版)






「台北の朝、僕は恋をする(一頁台北)」を映画でみた。台湾行きが決まってまあ正直、タイトルだけで観てしまった。「台湾人気質」を上手く表現していたのと、郭采潔演じる女の子の一途さが印象に残った。

台湾の中国人は、大陸の中国人とは異なり殺伐さがなく、まったりしているのは、日本であった時代があったことと無関係ではないと思う。






既視感を久しぶりに感じた。

かつて「青い影」で感じた、あの既視感。

立命館大学広小路キャンパス、河原町荒神口にあったジャズ喫茶「しあんくれーる」。てめえは間違いなくそこにいたような気がする。







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