解放区

2014年02月22日(土) 大運動会の巻。

そろそろオリンピックも終わりに近付いてしまった。始まるまでは全くとは言わないまでもそれなりに興味はないのだが、実際に始まってしまうとやはり釘付けになってしまうのですね。

今回最も興味深かったのは、スケボーの回転、及び大回転。大回転で竹内さんが銀メダルをとったのはもちろん素晴らしかったが、予選から見続けて、てめえはビックワイルドさんとその嫁さんに夢中になってしまった。

もともとアメリカで生まれ育ったワイルド氏。そんな彼は、ロシアの選手である嫁さんを愛してしまい、国籍を放棄してまで彼女に殉じた。

「地元ロシアのワイルド!」という実況が、とても空しく響く。彼はロシア人になって間もないと言うのに。

大回転では、彼は圧倒的な早さで金メダルを得た。決勝戦では、1回目で大きなミスをしたが、2回目で神がかった早さで逆転し、メダルを得た。女性の部では嫁さんも銅メダル。観てて涙が出たのは歳のせいでしょうね。

そして回転。彼は準決勝1回目で再度あり得ないミスをしてとんでもない差が出た。これは奇跡でも生じないと挽回は難しいのではないか、というてめえの素人な予想を嘲笑うかのように、彼はあっさりとその差を挽回し二つ目の金メダルを得た。


観ていて強く思った。アメリカでは何物でもなかった彼。ロシアでその実力が花開いたと言うのは簡単だと思うが、彼はおそらく妻の待つゴールに、誰よりも早く着きたかったのだ。愛する妻の待つ場所へ、一刻も早く着きたかった。

アメリカ国籍を放棄して、ロシア人の「ワイルド」としてまで参加したオリンピックで、彼は国のためでもなく名誉のためでもなく、愛する妻の待つゴールへ他の誰よりも早く着きたかったのだ。そう強く感じた。




どうでも良いが、てめえはスポーツ観戦が大好き。自分は大したことは出来ないのにもかかわらず。


小学生の時に、サッカーをしていたことがある。キック力もなくフィジカルも強くなかったてめえは、なぜかゴールキーパーをさせられることが多かった。こてはある意味天職で、楽しく練習していたのだが、練習はあまりにも過酷だった。当時は練習中に水も飲ませてもらえず、ミスをするとあり得ない罰ゲームが待っていた。てめえはそう言った理不尽な練習に耐えきれず途中でやめてしまった。

その少年サッカーからJリーガーも出たし、高校サッカーで活躍する選手もたくさん出たのだが、その時の選択は全く後悔していない。我慢できた奴はそれなりだったのだろうが、あれは未だに理解できないし、したくない。

野球もちょっとかじった、というか、日本の少年であれば普通は野球を齧ったことのない少年はいないはず。

てめえはなぜか投手をさせられた。速い球を投げることはできたのだが、残念なことにメンタルがだめだった。打たれると途端にストライクが入らなくなる。てめえの野球人生は短かった。


時は流れて高校生になった。てめえの通っていたクソ学校は体育系のコースもあったため、やたらと体育系の授業が充実していた。

例えば冬の体育であるが、連日の長距離走に加えて、週一回3kmのタイムトライアルがあり、その結果は学年ごとに20位まで、タイムとクラス、所属クラブを明記され学校の入口に張り出された。

そんなてめえは長距離走が実は得意であった。クラブ活動は全くしていなかったが、体力作りのためと言うわけではないが健康と美容のために毎日走り込みをしていたのだ。

そんなわけで、毎週のタイムトライアル。てめえは3kmは9分台で走れたので、学年でいつも10位以内に入っており、ために毎回入口に名前が張り出されていた。てめえは「帰宅部」だったので、てめえのところだけ所属クラブが空白であった。ちなみにてめえより上の連中の所属部は、多くがサッカー部で、稀にラグビー部。陸上部は一人もいなかった。


2年生の時に、陸上部からリクルートがあった。素直ではないてめえは「ええ! てめえより早い人がいないのに入部してなんかいいことがあるのか?」と入部を拒否した。帰宅部のくせに陸上部よりも早いことをかっこいいと思っていた節もある、そんな恥ずかしい若い日々。

今思うと、帰宅部をするよりも、陸上部で青春を燃やしても良かったような気がするが、全て後の祭りである。しかし陸上部も陸上部で、あっさりと説得を辞めたのはてめえに全くその気がないと思われたのだろう。ていうか本当は誘いたくなかったのだろうな。


3年冬のマラソン大会。てめえの学校はアホ校でスポーツ馬鹿の集う学校だったので、校内マラソン大会は25kmで争われた。もしかすると28kmだったかもしれない。どちらにしても校内マラソンの距離ではない。ちなみに女子は21kmであった。こんなことしているから志願者が減るのだと思うのはてめえだけだろうか。

そんなマラソン大会で、プラスティック工場で働くことになるてめえはまじめに走った結果、見事入賞してメダルを頂いた。20km地点くらいで、ばてばての陸上部やサッカー部をざくざくと抜いたのが気持ち良かったが、まあどうでよいわ。

驚いたのは、ゴール地点にヤンキー(死語)の女がたくさん待っていたこと。文化祭でブルーハーツを熱唱したのが悪かったのか。笑。黄色い歓声は君たちか。「おめでとー」「大丈夫?」とゴールと共に囲まれたが、てめえは余力を残してゴールしたので「全然大丈夫! ありがとう!」などとお茶を濁した。

運動会を見ているとそう言ったことを思い出す。てめえも全力で陸上に励んだ方が良かったのだろうか、などとも思うが、全力で取り組んでもものになっていなかっただろうなと思う。


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