解放区

2014年03月05日(水) 投資について。

てめえが初めて投資をしようと考えたのは、ANAの株主になりたかったからだ。沖縄にいた時は、どこに行くにも飛行機だった。ので、安く移動するためにいつも株主優待券を買っていた。

一枚あれば、料金は半額。ネットオークションで落札すると高くても8000円だった。これで航空券が半額なのだから非常に助かるのだ。

そのうちに、「そうか! てめえが株主になればいいんじゃねえか!」と思い至った。さっそく証券会社に口座を開くためにいろんな証券会社から資料請求を行ったが、その時はあまりに忙しくて必要な書類を集めることができなかった。ちなみにその時のANA株は一株300円台で、1000株単位の取引だったため、株主になるためには最低でも30万円以上が必要だった。


京都に帰ってきて、再び投資をしようと思った。沖縄ほどの殺人的な忙しさはなかったため、書類も揃えてようやく口座を開いた。


さて、何の株を買おうか? その時のてめえはまったくfinancialな知識を持っていなかったため、どの株を買えばいいのか全く分からなかったのだ。

無理して株を買う必要もなかったのだが、とりあえず何も考えていなかったてめえは、株主優待に目が眩んで「イオン」株を買った。今なら絶対に買わない銘柄。

イオンの株主になると、イオンで買い物した額の一部がキャッシュバックされる。それだけではなく、大きな店舗に設置されている「ラウンジ」を無料で利用できる。

しかも時代は自民党政権の末期。次期政権は民主党になることは明白であり、したがって民主党銘柄とてめえが考えた「イオン」は株価自体も値上がりするだろう。

と、その時ド素人だったてめえは考え、そしてイオン株が安くなったと思った時に買った。その値、1株約700円。



実際に株を買う前にもそれなりに勉強したつもりだった。テクニカル分析とかファンダメンタルだとか、PBRとかPERとか。その他もろもろの勉強は、実際の購入に糞の役にも立たなかった。

人間はいろんなタイプがいるが、てめえは実際に経験してみないとわからないタイプの人である。その通りで、実際に経験したら疑問が湧きまくり、それ以前とは比べ物にならないほど勉強した。


次に手を出したのは立会外分売で、星光PMCを229円で、テラを1198円でそれぞれ買った。


ちなみに、本日現在星光PMCは1630円、テラは1903円である。ずいぶんと値上がりしましたよ。けどもう二つとも売りました。前者は業務内容が理解できなかったので、ストップ高になったときに売り飛ばしたが、その後も株価は上がり続けてしまった。涙。テラは医学的にはロマンだったが、これまたストップ高で売り飛ばした。こちらはもう買うことはないだろうと思う。



株取引をする目的は、大きく分けて2種類である。キャピタルゲインとインカムゲインである。このどちらを重視するのかで、取引のスタイルはずいぶんと変わる。

キャピタルゲインとは、売買で生じる利益である。例えば、100万で買った株を200万で売ると、100万円のキャピタルゲインが生じる。

これを重視するのであれば、狙った株をできるだけ安く買って、高いところで売る必要がある。つまり、常に相場を見ながらタイミングを見て売り買いをする必要がある。そんなわけで、基本的には場に張り付いている人が有利になる。そして、短期的な相場を読む必要がある。

この勝負は、より情報の多いものがより有利になる。また、売り買いすればするほど手数料も発生するし、税金も払わなければならない。



インカムゲインとは、配当など株を持っていることで生じる利益である。この場合、基本的には株を持っている限り、会社が赤字が出ない限りほぼ永続的に利益を得ることができる。

この場合重要なことは、できるだけ安くで買うというそれだけである。売ることは基本的には考えていない。株価が安くなれば買い足せばよいし、高くなれば含み益が増えるのでそれはそれで嬉しい。あまりに高くなれば、もともとの目的ではないがキャピタルゲインを得るために売り飛ばせばよい。

要は、赤を出す会社を選ばない限り問題はないのだ。そして、そのために会社を見る目が必要になる。


てめえはいろんな株に手を出して、痛い目にあったりして勉強した結果、インカムゲインを重視する方向になってきた。つまり、方針としては会社を選ぶということだ。



この場合、単に配当が多い会社を選んではならない。配当が多い会社はそれだけインカムゲインは多くなるが、その配当を保ち続けるとは限らない。多くの会社は、ほぼ瞬間最大風速の可能性がある。


例えば、今この瞬間の配当を調べてみる。東証1部の、中型以上の会社を調べる。


1.あおぞら銀行 4.62%
2.東燃ゼネラル石油 4.31%
3.キヤノン 4.13%
4.平和 4.01%

配当利回り4%以上はこの4社のみである。

まず、銀行や証券会社などのお金を扱う会社を選んではならない。てめえはこれでずいぶんと痛い目にあった。理由を書くときりがないので書かない。

東燃ゼネラル石油もなぜこんなに高いのかわからないが、為替に左右される業種であること、典型的な安売り(しないとだめな)業界であることから、まず買えない。逆に言うと、いつ暴落するかわからない。有利子負債もでかい。

平和もよく知られたパチンコメーカーである。有利子負債もでかいし、業種的にまず買えない。

そんな不安定な業種の中に、一つ聳えるキヤノン。有利子負債もほとんどなく、業種の不安定さもない。それで4%を超える配当。はっきり言って、いつ買うの? 今でしょ!



さてここに、100円の価値のある商品があるとする。その商品が、独創的であるがゆえに他に競争相手のいない場合と、誰にでもできる商品であるがゆえに競争相手のたくさんいる商品だったらどうだろう。

前者であれば、100円ではなく120円で売っても、あるいは150円で売っても飛ぶように売れるかもしれない。例えるのならiPhoneなんかがそうで、ほぼAppleの言い値で売られているが、他に代替品がないので飛ぶように売れる。

後者であれば、値下げ合戦が始まれば悲惨な結末が待っている。ほぼ同じ質のものであれば、安いほうが売れる。例えるのなら、ハンバーガーや牛丼がそうだろう。競合が行き過ぎて、お互い生きていけるかどうかというチキンレースになっている。


さて、あなたならどちらの会社の株を買う?


前者の株を買ってみよう。競合相手はいないので好きな値段で売れる結果、売り上げは上がり、株主への配当もがっつり期待できる。それでもお金が余る(内部留保)ので、銀行から資金を借りることなく新たな商品を開発することも可能だ。結果、有利子負債などなく自己資金で業績を広げることができる。


後者の株はどうか? もう結果は書くまでもないでしょう。どこにでもある商品がゆえに株主優待などで株主を集めることはできるが、長期的な成長は期待できない。


さて、賢明な方は気が付いたと思われるが、てめえが初めて買ったイオン、あるいはてめえが欲しくてたまらなかったANAは共に後者である。


ということは、独創的な商品を作る、借金のない会社を選んで、安くなった時を狙って買うのが良いということになるわけですね。


そんなわけで、いつか時間があればそんな会社を紹介しましょうね。まあ買った中ではキヤノンと大塚HDとごにょごにょ。買ってないのではマニーとかひそかに狙っているサントリーとかごにょごにょ。


でも、いろいろやってきて。個別株は最上級レベルというか、もはや趣味レベルだと思っている。初心者はあるいは確実に儲けたい人は、まずは何も考えずに積立投信でしょう。それも海外株インデックス(基本的には先進国)。これが最強。


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い・よんひー [MAIL]

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