友人の付き添いで 某病院の救急診察室に行った。
処置に結構時間がかかったので 診察に訪れる人間たちをずっと見ていた。
日本語がわからないために 1歳にも満たない我が子の病状が 上手に説明できない東洋系外国人夫婦。
階段で転倒し 頭を少し切っただけなのに 奥さん同伴で しかも病状説明まで彼女任せの 中年男性。
右手が痛くて動かなくなったと 無表情で淡々と語る 19歳の今風の少年。
用事があるのに 子どもの処置がなかなか終わらず 時間ばかりを気にして 我が子に「おちついて」とたしなめられる 若い母親。
会社の同僚の付き添いで来て 公衆電話でペコペコ頭を下げながら 彼の病状を上司に報告する 若手社員かと思いきや わりと中年だったサラリーマン。
午前中に堕胎手術をしたのだが 出血がとまらないと訴える 夜の仕事をしているらしい外国人美女。
それでも、夜はふけていく。
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