自分の知っている狭い狭い世界で、 「最近の……」と、 世の中の全ての統計を取ったような言い草は、
本来好きじゃないのだけれど、 あえて使ってみようと思う。
夜道で自転車に乗っていた。
三叉路で道を曲がろうと思った時、 その道からこちらの道に曲がろうとした、
同じく自転車の中年女性と、 ぶつかりそうになった。
お互いブレーキをかけ、 衝突は免れた。
私はホッとして、 「すみません」と頭を下げた。
こういう場合、 どちらが悪いという問題じゃないが、 自分の非は認めようと思ったのだ。
彼女もそうするだろうと思ったのに、 思いっきり睨まれて、 舌打ちまでされた。
先日ダンナと一緒に、 近所のレンタルビデオ屋に赴いた。
自転車置き場で、 小学校低学年ぐらいの少年が、
自分の自転車に他の自転車が倒れてしまい、 身動きがとれなくなっていた。
私たちは、 その自転車をどかした。
自転車でのりつけた女性も、 無言でそれを手伝ってくれた。
世の中、 まだまだ捨てたもんじゃないな。
そう思った時、 少年は彼女に向かって、 「お母さん」と言った。
親子だった二人は、 私たちに一言の礼もなく、
店内に消えていった。
このたった二つの事例から、
最近の大人は、
感謝の気持ちには疎くて、 不満の気持ちだけを、 相手にぶつけるのかなと思った。
彼女たちは同一人物ではないし、 全ての大人がそうだとは思ってないのだけれど。
不愉快な出来事が続くと、 視野が狭くなってしまうみたい。
大人をも正せる大人には、 なれないだろうな。
私は。
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