どこまで素で書けるかな?

2001年10月05日(金) 愛する人々。

何かの気配を感じて、
目を覚ますと、

ダンナが私の顔を覗き込んでいて、
「愛してるよ」と言った。

一気に目が覚める。

ああ、
眠ってしまったようだ。

今日はめずらしく、
飲んでくると電話があり、

夕食の支度を免れたことに、
嬉々として布団の上で、
ダンナの貴志祐介「黒い家」を、
ひまつぶしに読んでいたら。

ダンナはトランクス一枚で、
床にしゃがみながら、
もう一度「愛してるよ」と言った。

「おかえりなさい。
 酔っ払ってるんだね」

彼が甘い言葉を口にするのは、
泥酔している証拠だ。

「吐いちゃった」

無防備な瞳で微笑む。

弛緩しきった顔をみながら、
心底彼を愛していると思った。

彼をこんな彼に育んだご両親のことも、
本当に愛していると思った。

私をこんな私に育んだ母親のことすら、
まだ愛せないというのに。


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