タイヤがペコペコでしばらく使えなかった自転車に、 友人が買ってくれた空気入れで命を吹き込んだ。
今日の予定はこれにまたがって、 クリーニング屋と銀行へ。
天気が良いと重症の出不精な私でも、 多少は腰が軽くなるというものだ。
昨日の嵐のような暴風雨で、 ヨレヨレになったダンナのスーツを、 自転車で一分ほどの場所にある店に出す。
ここに来るのは、 まだ5回目くらいだろうか。
伝票に店員さんが名前をサラサラ書く。 お名前は?と聞かれなかった。
主婦ポイントが増えたような気がして、 ほんの少し照れくさかった。
次に銀行のATM3ヶ所。
人がごっそりと溢れ返る商店街なので、 一番近い所に自転車を置いて歩き回った。
5分圏内に密集していると本当に助かる。
自分がたてた目標を、 めずらしく全て達成できて、 私は随分と満足する。
帰ってくると、 アキレス腱の下の辺りが、 靴擦れをおこしていた。
こんな数分の外出で皮がむけるほど、 私は社会への適応能力を失っているのだ。
早くなんとかしないと、 私の無意識が理由を作ってしまう。
社会に復帰しなくていいような、 理由を作ってしまう。
行ってはいけないと言われた修学旅行に、 どうしても行きたくて行きたくて、 その欲求を自ら抑えるために、
右腕を骨折させたあの時のように。
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