どこまで素で書けるかな?

2001年10月12日(金) 練習。

夢見が悪かったおかげで、
眠りに執着することもなく、
起きる事ができた。

それでも、
「かったるいな、もうちょっと寝かせてよ」
というフリをしながら、
30分の惰眠に酔いしれた後に起床。

ダンナの肴であるピーナッツをかじりながら、
お湯を沸かしてアールグレイをいれる。

予想以上に冷え切っていた体が、
芯から活動し始めるのを感じた後、
フロに入り歯磨きも洗顔も済ませた。

テレビをつけると気だるくなるので、
猫に話し掛けながら身支度を整える。

窓を開けて気温を肌で感じ、
適当な洋服を身につけ、
久しぶりに長時間独りぼっちになる彼女に、
ありったけの愛撫をして鍵を閉めた。

家を出てしまえば、
頭痛や倦怠感や貧血などの、
不定愁訴症候群も多少おさまる。

こんなにも日々怠慢なのに、
まだ身体は私を過保護にしようとするのだ。

数ヶ月ぶりに一人で乗る地下鉄。

車窓に映る自分の顔が、
思ったよりも世間なれしていて、
ひとにぎりの自信をもらう。

新橋はほとんど変わっていなくて、
銀座口の汐留に建設されている高層ビルが、
随分と高くまでできあがっていたのを除くと、
相変わらず薄汚い街だ。

今の私にはそれが親しみやすい。

会社に11時に到着。

神出鬼没な私にさほど驚いた様子もなく、
「手伝いにきたの?」と数人が声をかけてくれた。

今日から数日間の伝票入力アルバイト。

これは不定期で社長から頼まれる仕事である。

いつもなら自分が空けた穴のせいで、
人手が足りなくなっているのにも関わらず、
気が進まなくて5日ぐらい出社しては、
面倒くさくなって自然消滅で辞めてしまう。

でも今回ばかりは声を掛けてもらえて嬉しかった。
こんな私でも役に立てることが嬉しかった。

時期が時期だ。
社長を釈迦だとは思いたくないけれど、
天から蜘蛛の糸が降りてきたように思えた。

ちょうどいい。
練習をしよう。
社会に適応する練習。

昼食も摂り友人と歓談もし、
眠気を抑えながらキーボードを叩く。

人間らしい生活。

今の私が求めていたものは、
お金だけじゃなくて、
自由な時間だけでもなくて、

人から必要とされることだったんだ。




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