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2001年10月02日(火) 『ロジカル・シンキング』

『ロジカル・シンキング』読了。照屋華子・岡田恵子。東洋経済新報社。
 この本はこれから困ってしまうたびに紐解いてしまうのだと思う。
 教科書的な内容であるのに語り口はわかりやすくて、けれども読みやすいからといって内容は簡単には修得することが出来ない。
 ということで、必然的に何度も部分的に読み返すことになってしまうと思うのだ。
 読んで、試して、読んで、試しての繰り返し。
 タイトル通り、ロジカル・シンキングについての本であり、それをロジカルなコミュニケーションへと転化させていくための本だ。
 なにやら難しそうだし、表紙だって学校の教科書のように簡素なものでもある。
 ただ、そう書いてしまうと敷居が高くなってしまうのだけれど、本書の最初にはこう書かれている。

 要は「論理的なメッセージを伝えることによって、相手を説得して、自分の思うような反応を相手から引き出す」ことだ。

 その数ページあとには、こうも書かれている。

 コミュニケーションというととかく「あの人の書くものには天性の冴えがある」「彼の話術は生まれ持った才能だ……」というように、センスや感性に巧拙の要因を求めがちだ。確かにそれも重要だが、ことビジネスにおけるコミュニケーションでは土台を築いた上で備わっていればなおよい、という類のものだ。その土台こそがロジカル・コミュニケーションなのだ。

 その表現されると高かった敷居が少しは(あくまでも少しは)低くなるし、個人的にはその意見には本当に納得させられてしまう。
 実際の仕事の上では、当たり外れの大きいひらめきのようなものに頼るわけにはいかないのだし(ときにそれはとても大切だけれど)、ほとんどの場合には様々な人たちとコミュニケーションをとりながら進めていかなければならない。だからこそ論理的に、やや単純に言い換えてしまうと「わかりやすく」伝えられることが重要になってくる。
 そして、最終的には自分たちが望むような流れに持っていく、出来うることならこちら側と相手側の双方が満足できるような形に持っていく。
 それがとても重要だったりする。
 チーム内の話でも、外に関わる話でも。
 その前提条件であるロジカル・シンキングについて詳しく原理を述べているのでとても興味深かったりするのだ。

 筆者(2名)がもともと経営コンサルティング会社に所属しているだけあって、本書の中ではその企業で実際に使用されている技術が紹介されている。それは大きく二つにわけると「論理的に思考を整理する技術」と「論理的に構成する技術」であり、前者はMECE、So What?/Why So? という整理の仕方に、後者は並列型と解説型という構成方法になっている。
 もちろん、一度読んだくらいではちゃんとわかるようにはならないので、これから仕事でレポートや資料を作成する際には、この本の考え方を参考にしていけたらと思う。
 練習問題も幾つも収録されていて、それを考えていくのも結構楽しいのだ。
 そういうところも教科書に少し似ているのだけれど。
 だからこれがもし教科書だとしたら、かなり実用的な教科書ということになる。
 そういうのって、いいと思う。
 

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 この本は書店のビジネス書コーナーで見つけてしばらく部屋に積ん読していたものなのだけれど、いわゆるビジネス書的なものは、新刊コーナーに置かれているものを購入することが多い。
 大体にして、ビジネス書には一部を除いては「生」っぽいところがあるから、興味を持てるものに関しては鮮度のよいうちに手にとったほうがいいと思うのだ。もちろん、今回のような本の場合はもちがよいけれど、時事的なものであるとか、ある成長企業に焦点を当てたものなんかは、時期を逸すると鮮度が急速に悪化してしまうものだし。
 いずれにしても、人生の中で読むことのできる本の数はどうしたって限られているので、それがどんなジャンルの本であれ、読み応えや面白さや納得できるもの、あるいは共感を持てるようなものであればいいなと思うのだけれど。
 それはそんなに贅沢な願いというわけでもないのだろうし。


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 僕の部署でDFaxというサービスがかなりブレイクしている。
 上司から教えてもらったのだけれど、これはE-mailアドレスさえあればFaxをパソコンで見ることができるようになるというサービスで、ブレイクするだけあって当然無料だ。
 簡単な登録だけで、020からはじまる自分のFax番号を持つことができる。
 その番号宛にFaxを流すと、E-mailが届いて、そのメールに添付ファイルとしてFax原稿がついてくるのだ。
 原稿自体は、スキャナでとりこんだようなものをイメージしてもらえるといいと思う。
 それをパソコンの画面でチェックしてもいいし、プリントアウトすれば紙のFaxとなんら変わらない。
 ということはつまり、Faxを持っていなくても、Faxを受け取ることのできる環境ができあがる、ということ。

 ただ、無料のサービスなので、最初に登録したカテゴリーに関する広告がE-mailの一部に挿入されている。
 ただ、そんなのは基本的にはまず気にならないし。

 頻繁には使わないかもしれないけれど、これはかなり便利だと思う。
 とりあえず、部署内のメンバーみんなで面白がって登録したりした。
 一人は始業前に、僕は仕事が終わった後に登録したのだけれど、その間にFax番号は60番くらい変わっていて、つまり一日で全国で60人くらいが登録していることになる。そのくらいの認知度って、有名と言うのだろうか?
(番号は登録順なのだ。と言うのも、仕事が終わった後に前後して登録した何人かが下1桁の1番違いの番号になっていたから)。
 教えてくれた上司はかなりいろいろなサービスを知っている人なのだけれど、それにしても、よくこういうのを見つけてくるよなと思う。

 たとえばGoogleで「DFAX」(日本語のサイト)で検索すれば、そのページはすぐに見つけることができます。
 オススメかも。


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