現実感の喪失と言われ、今のボクはなるほどと思える。 自分の生活がリアルでないのだ。 常に、何かが違うという違和感にも似た想いを抱えている。 本当の自分はこんなものではないと思いたい。
思い返してみれば、ボクはずっとこれを意識しつづけてきたように思う。ボクはそれを「本気になれるものが欲しい」という言葉と共に抱えていた。
ボクは本物が欲しい。本気になって、自分の全てをつぎ込まなければ手に入らないような、とびっきり上等の本物が欲しい。そんな本物を手に入れる事が出来るくらい、凄い人間になりたい。ボク自身も本物になりたい。それがボクの生きる意味だと想いたい。
そして、二十年間の内に自分なりに「本気になれるもの」を探してきた結果、その候補が二つ見つかった。その一つが単車であり、もう一つがKさんだった。
ボクにとって単車は未だonly one ではない。いや、これだと言えるマシンにまだ出会っていないのだ。人生を捧げてもいいと思えるほどのマシンをボクはまだ知らない。 だけど、ボクにとってKさんは恋愛対象となる異性ではなく、やはりKさんだった。one of them ではなく、the one なのだ。この人とだったら人生を棒に振ってもいいと想った事さえある。
でも、ボクではお話にならないのだ。ボクが二十年間積み上げてきたはずのものは、肝心なときになって初めて、無駄だと気付かされた。ボクが本気になればなるほど、ボクの無駄さ加減が浮き彫りになる。
自分勝手に卑屈になっているだけだと言われるかもしれないけれど、ボクはそういう人間なのだ。ならば、自分だけでも自分を肯定するしかないじゃないかと思っても、ボクにしては自然な思考なのだ。
どうせダメなら、徹底的にダメになればいい。ボクの劣等感を徹底的に増大させて、押し込めて、その力で昇華できるかもしれない。本物の領域まで。ボクの求める領域はそんな近くにない。まだ足りないのかもしれない。
だから、まだ本気になれないと感じるのかもしれない。もっと、自分を落し込んでいけば、嫌でも本気にならなければならない時が来るのかもしれない。今はその次の領域へと足を踏み入れる前段階にある、混沌とした時期なのだろう。だから、ボクはひどく混乱しているし、頭の中が混沌としている。けれど、もっと追い詰められれば、不意に決断する時が来るだろう。
誰もここまで読んではいないかもしれないけれど、或いはこれを読んで不快になるかもしれないけれど、ボクはここに吐き続けていこうと思う。人間はそんなに簡単ではないのだから、少しでもその複雑さを開示して、見せ合わなければ、人はいつまでも互いを分からずに生きていかなければならない。それはあまりにも不幸だと思う。何も知らずに傷つくなら、ボクは知った上で傷つきたい。
とにかく、しばらく書きつづけようと思う。 そうしなければ、自分でも自身の考えがまとまらないだろうから。
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