ボクの書く日記は詩的な文章になってることがあるように思う。 自分では哲学的な文章のつもりだけど、自分の中だけで昇華されてて自己満足に浸ってるだけの文章だと思うから、やっぱり詩的なのだろうと思う。
おそらくボクは純粋に哲学的な思考は出来ないのではないだろうか。ボクは屈折している。
ボクは主人公に憧れている。昔も、今も。 物語の登場人物が持っているような特権を、ボクは一つも持っていなくて、だから憧れる。 その特権というのは容姿であったり頭脳であったり境遇であったり、そういう凡人から一歩抜きん出る才能なり環境。 それがボクには何一つ、人並み以上には与えられなかった。なぜそんなコンプレックスを持つようになったのかは今はわからない。でも、ボクはあらゆるものに嫉妬する。ボクは世界に嫉妬する。だから、欲しがるのだ。凡人には持てないような本物を。
ボクは背が低い。身体能力は平均以下。 容姿は取り立ててブサイクではないが、決してカッコよくはない。 あんまり愛想もよい方ではない。 頭も東大に入れるほどよくない。 金もない。 社会的にあると有利とされる要素をボクは尽く平均以下しか持っていない。
ないものねだりをする者は、純粋ではいられない。 純粋なまま欲しいものが手に入るのは一部の選ばれた人間だけだ。 ボクは蚊帳の外だ。では、残された道は一つしかない。 屈折するだけだ。
オシャレをしても流行には乗らない。 ちょっと自信過剰ヤローが着るようなブランドに手を出す。 背が低いのを利用して女物のジャケットとか着たりして、身体が細いのだと暗に示してみたりする。 俺はちょっと違うぜ、と普通なら無難に収めようとするところを「わざと」逸脱してみせる。 意図的な逸脱。 屈折した一般からの差異化。
パンピーには入ってこれないようなディープ世界まで入り込むのも同じ理屈だ。 オタクと呼ばれる社会的に認められないような人種になる。 ファッションでバイクに乗る人間を否定する。 俺は違うのだと主張する。
それは、自分が本当は他と違わないからだ。普通に簡単に負けて飲み込まれてしまう自分を知っているからだ。だから逸脱しようとするのだ。
殻を破らねば雛鳥は生まれずに死んでしまう。
だからボクは大型のバイクに乗りたがる。 この小さい身体で大型を転がしてみせる。 だから、600では足りないのだ。 このボクの小ささに全くつりあわない大きさ、パワー、存在感を持ったバイクを転がしたい。
ボクはもっと、もっと純粋に屈折したい。 ただひたすらに屈折したい。
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