2006年05月23日(火) |
批評的な感じ?の日記 |
東浩紀氏が波状言論を辞めて、ブログの方も停止したそうです。 氏にはコミケの会場で押しかけて、ちょこっとだけ話をさせてもらったりしたので、やはり思い入れがあるのです。
なんだから、氏がこっち方面にうんざりして活動を停止したと聞いて、ねこねこソフトが解散すると聞いたときと同じ残念な気持ちになりました。 東氏の活動はとても興味深かかったし、今のオタクの世界には必要な運動だと思っていたので、やはりそれが立たれてしまうのは非常に残念です。 G戦場ヘブンズドアでも、「読者に届かなければ意味がない」的な思想で、描きたい漫画よりもまず売れる漫画を、と頑張っていた漫画家がいましたが、僕にとって東氏はそんな感じの立ち位置にあったのではないかと思います。
実は非常に注目しておきながら、僕はあまり波状言論にまつわる出版物やテキストを熟読していません。 では、どうしてそこまであの活動を重要視していたかというと、僕が考えるオタクが抱える問題に対する解決策として有効ではないかと思っていたからです。 僕が今のオタク業界に対してどんな危機意識を抱いているかは、語りだすときりがないので割愛ですが、東氏の活動は淀みきったオタクの世界に一筋の清流を流し込む作業として有効ではないかと思っていたのです。
今、僕はゲームシナリオライターやラノベ作家として仕事をしたいと思っていますが、それでも思い切って飛び込めずにいるのは、やはりこの業界に不安を感じているからです。 一生の仕事として、そこに身を浸すには不安や不満が多すぎる。 あるいは東氏が率先していたような運動があるなら、僕も安心して業界に飛び込めるように思うのですが。
あるいは僕が知らないだけで、同じような活動はあるのかもしれません。 ただ、やはり読者の手元まで届かない作品は、どんなに優れた作品であっても救いにはならないのです。 だから、僕の手元までも届いていた東氏の活動は、おそらく他の多くの読者にも届いていただろうから、僕はその内容を詳細に知らないけれども、とても重要だったと思うのです。
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