2001年10月27日(土) |
朝日新聞 天声人語より |
アメリカの中学校の先生が、こんな内容のメールを自分が教えた生徒たちに流した。 まずはその内容をざっと紹介する。
世界を100人の村に縮小するとどうなるか。 その村には「57人のアジア人、21人のヨーロッパ人、 14人の南北アメリカ人、8人のアフリカ人がいます。 70人が有色人種で、30人が白人。70人がキリスト教以外の人で、 30人がキリスト教」に始まってこう続く。
「89人が異性愛者で、11人が同性愛者。 6人が全世界の富の59%を所有し、その6人ともがアメリカ国籍。 80人は標準以下の居住環境に住み、50人は栄養失調に苦しみ、 1人が瀕死(ひんし)の状態にあり、1人はいま、生まれようとしています」
さらに「1人(そうたった1人)は大学の教育を受け、 そしてたった1人だけがコンピューターを所有しています」と続く。 そのうえで「自分と違う人を理解すること、 そのための教育がいかに必要か」を説く。
この縮図の数字の根拠ははっきりしない。少々変な数字も交じっているようだ。 しかし、こうやって考えてみることの重要さはよくわかる。 世界一豊かな国で教えることの意義も大きいと思う。 先生はまた「もし冷蔵庫に食料があり、着る服があり、 頭の上に屋根があり、寝る場所があるのなら、 あなたは世界の75%の人たちより恵まれています」といった解説を加えていく。
このメールはJTBサンフランシスコ支店経由で 日本のJTBに送られてきたものを紹介していただいた。
その村にいる2人の日本人としても他の98人のことに無関心ではいられない。
わたしには一体何ができるんだろう。 そしてこれからどうすればいいのだろう。
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