闇の底に...Cuckoo

 

 

優しさに撃沈した日 - 2006年02月20日(月)

その一言が欲しかっただけっていうのは
自分でも分かっていたんだ。


バイトを辞めると決めて
同じように上に嫌がらせをされている親友と
オープンの時叱咤された上司に会いに行った
叱咤激励というには日程遠い言葉の数々のおかげで
なにくそとがんばった結果をアタシは誇りに思っている

オープンの時
全国展開している当店でその上司はアタシに
「早番なんでボランティアのようなものだ 本当は必要ない」
そう切り捨てた
平日しか出れない奴なんだから別に必要ない
そう言われた
「お前にしか出来ないと言える事をしろ そうじゃないと
 お前を使う意味は無い
 出来ないなら今出て行ってくれていい」
毎日泣きたかった
何をどうすればいいのか分からなかった
悔しくてでも大手企業からしたら当然なのかしれなかった
客数は見込めないと思われていた店だったから余計に。

一緒に働く数人で話をした
何人かくじけそうになって逃げ出しかけて
帰れと言われて追い返された子も一人や二人じゃなくて
それでもアタシ達はプライドが高かった
そこまで言われるならやってやろうじゃないか
そう言葉にしたあの日立てた目標は
早番のみに存在するランチの出数をエリアで一番する事。

いざオープンしたらすぐ目標は達成された
オープンしたばかりだからかと様子を見て2ヶ月たっても1番だった
よし 次は全国1位になろう
そう決めてそのチャンスは大雪の日に訪れた
今でも覚えてるあの大雪の日
予約の客は雪でも来てくれた
その日アタシたちの目標は達成された。

すべてはその上司の
お前は必要ないと言った時から始まっていた
あれからいろんな事をしてきたと思う
当初の見込み違いで売り上げの見込める店だと言われた
そしてアタシは
言葉じゃなくて態度でもう必要ないと今の上司に言われている。


あの時叱咤した上司が1時間半ほど車で走った場所に所属され
会うこともなかった
1年も。
土曜の繁盛日の夜
アタシと親友はもう一人のバイトの男の子と
堤防を走っていた
手土産を持ってただ ありがとうございますと言う為に。
そう男の子には言っていたけど
辞めますの報告だった。

深夜2時
その店の事務所でアタシと親友を椅子に座らせて
その上司は
「なにかあったのか?」
ものすごく優しい目であたし達に問いかけた
あの地獄だと思ってた日々に見ていた人とは別人なのかと思うくらい
優しい目だった。

ちょっと店で辛くて

そう親友が言葉にした瞬間
なぜだか涙が出てきた
止まらなかった
ぜんぜんそんなつもりじゃなかったのに
涙が止まらなかった
アタシたちは仕事の事で
初めて人前で泣いてしまった
話をしながら御礼を言った
お礼を言いながら泣いた
上司は言った

「あの時きつい事を言ったけどそれでもお前らはがんばってくれた
 俺はそれが嬉しい
 どうしてこんな事になってしまう前に相談しなかったんだよ」

アタシ達は泣き笑いで答えた

だって遠いんだもん って。

つづく。



            水鳥。


...




↑投票ボタン
もしよかったら投票お願いします。水鳥の力の元になります。

My追加
 また読んでくれますか?マイ返しはしない事にしてますが必ず読ませていただきます。

 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail BBS