【読書記録】灰谷健次郎「天の瞳幼少編1」 |
暖かくなる小説。もう五年以上昔、まだ私は倫太郎に感情移入して読んでいました。けれど今では芽衣さんの視点で捉えている。ふと気がついたときには、私は芽衣さんの年齢になり、子供はいないのではないかと思い、彼女の年齢であれほど子供をしっかり捉えることはできないなという虚ろな気持ちになる。けれど、私はこの作中ではじいちゃんの言葉が特に好きである。子供に伝えるべく身の回りのものを例に挙げて、わかりやすく、素直に気持ちに溶け込むような語りかけにはじいちゃんの言葉は味があると思う。倫太郎は、もちろん彼の天真爛漫さがあってのことだが、保育園然り、親類や友人にも恵まれていたように感じる。「消しゴムのシーン」の彼がとても印象に残っている。 p341/新潮社/96.01
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2007年06月28日(木)
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