【読書記録】「I LOVE YOU」

伊坂幸太郎「透明ポーラーベア」石田衣良「魔法のボタン」
市川拓司「卒業写真」中田永一「百瀬、こっちを向いて」
中村航「突き抜けろ」本多孝好「Sidewalk Talk」
p324/祥伝社/05/07

執筆人が豪華だなぁと思いつつ、久しぶりにアンソロジーに手をのばしました。今まで利用していた図書室にあったのは大体の読んでしまっていたので、今回アンソロジーの魅力に気がつき、再びアンソロ読みたい!と思いました。
全編を通して、作者の雰囲気がすごく出ていて、同じテーマなのに、すごく色を感じる作品ばかりでした。伊坂さんは初見でしたが、作品の評判は存じていたので、あーこういう作風なんだなぁという思いで、石田さんは相変わらずの甘い作風。最近はご無沙汰しておりますが、市川さんは私が知っていた初期の作風とはちょっと違って、からくりに楽しませていただきました。中田さんは初めてお名前をお聞きしたのですが、すごくキャラクターがたっていて、このキャラクターありきでストーリー展開されたのが非常に印象的でした。中村さんは、展開の方向性に面白さがあり、このテンポは中村さんの魅力なのだろうなと思う節が。本多さんは、いきなりテーマはどこへ…?と思いつつ読み進めたのですが、この恋愛の感覚は素敵だなぁと心から思わされる読後感でした。振り返ってみて、私が面白かったと感じたのは市川さん、好きだなと思ったのが本多さん。今回は、市川さんの『卒業写真』のストーリーを紹介。
ストーリー:偶然立ち寄った喫茶店で、小太りの男性に声をかけられた。しかし、むこうはこちらのことを知っていても、私は彼のことを思い出せない。必死に話をあわせ、話を進める中にちりばめられた情報から相手を特定させながら、同級生だったという高校時代に思いをはせる主人公たちだったが…。
2007年08月16日(木)

ワタシイロ / 清崎
エンピツユニオン