【読書記録】五條瑛「紫嵐」 |
ストーリー:カンボジアの大地から難民として逃げてきた"鳩"(ハト)。多国籍として肩身の狭い思いをしながらも、なんとか相棒の"チューン"とともに生きていた。しかし、街中で出くわした些細な喧嘩が発端で、裏世界は動き始める。組織にいやおうなく使われる鳩。失踪したチューンの行方は、そして鳩の知らぬ間に動き始めた裏の世界での物事とはいったい…。
タイトルは、シラン。「断鎖」とともに、R/EVOLUTIONシリーズの第二作目。断鎖メンバーもちらほらと出てきます。特に亮司はかなり頻繁に出てきていて、それが断鎖のころからの成長と変わらぬところを覗けた事は展開としては面白かったと感じました。あまりストーリーの流れを書いてしまうとネタバレになってしまうと思うので、ここは本を読んで一転二転するストーリーにあっと思っていただくのがいいなぁと心底感じる本です。そして、前作でも感じた歴史的事情がとても色濃く出ていて、今回は特にんカンボジアの歴史が、とても痛々しかったです…。作中で、"すみれ"と鳩が大食い番組を見ていて感じることを、私たちは心から理解することは出来ない。けれど、申し訳ないと思える程度の心は持っている。こればっかりは本当に読んでいただかないとわからないのが残念で仕方がない。ストーリーだけを楽しむのではなく、歴史も感じられるいい作品だと思います。 NO.19■p310/双葉社/02/05
|
2007年11月03日(土)
|
|