【読書記録】横山秀夫「クライマーズ・ハイ」

ストーリー:難攻不落の岩山「衝立山に登ろう」と約束したその日に飛び込んできたのは、御巣鷹山での飛行機墜落事故だった。本社に駐在していた悠木は突如デスクという任を受け、部下とともに突き動かされるように事件を追い始める。時間に追われ続け、おのおのの持ち場では記事に忙殺されるものの、そこには記者としての驚喜・苦悩・激昂が存在した。同時に、それは悠木にとって現在と過去が交錯する日々でもあり、人生の大きな山場となるのだった。

数年前にタイトルが飛躍的に知れ渡った噂の小説「クライマーズ・ハイ」。そんな認識しか持っていなかった私が、きっと…という正体不明の予感で手に取った本でした。普段は青春時代を謳歌する人間が主人公(もしくは30、40代)というパターンばかり読んでいたので、冒頭からとても年齢と職業、職場を感じさせられるシーンにくらくらしました。それだけその輪郭がはっきり感じられる、そして後半ではだからこその展開がある内容なのですが、あくまで無理にではなくゆっくりと、まるでジェットコースターに乗ってしまったかのような、なめらかな滑り出し。
けれど、始まってしまえばあっという間に動き始める。事件発生から数時間ごとに更新される現場の最新状況、そして明らかになる事実。とまることを許されない現場で働く人間と、それを思考し制御する人間が、立場の違いから生まれる意見の相違。リアルに動き回っているのが伝わってくるシーンは、
NO.33■p421/文芸春秋/0308

---記録が途中で切れていたので、そのまま掲載失礼します;
2007年12月29日(土)

ワタシイロ / 清崎
エンピツユニオン