【読書記録】あさのあつこ「ランナー」 |
ストーリー:陸上競技で長距離を走る加納。しかし、大会での敗北と妹の存在により、部活はやめることにした。離婚した両親、妹の体に残るあざ、母の葛藤、そして部活と自分と走ること。本当に守るって何だろう…。
あさのさんといえばさわやかな児童書!と思ってきたのですが、あまりの内容の違いに大分戸惑いました。まず、全体的にどんよりしていて重い。読み進めればすぐにわかることなのですが、家庭内暴力、シングルマザー、そして複雑な事情を抱えた妹の存在。家族構成がこれでもかといわんばかりに重くて、それをどう処理なさるのかなぁと思って読んだのですが、結局のところページ不足ではないでしょうか。展開的には、それだけの心の動きがあればわからなくもないのですが、逆に言えばそれだけで本当にいいの?大丈夫なの?といわざるを得ない気もする。随所でぐぐっとおもみのある言葉が使われているのは感じるので、きっと何か伝えたいことはあるのだろうなぁと思うのですが、それをつなぎあわせたような印象しかうかばなくて、うーん…残念かなぁ。おそらく、あさのさんが何かしらを体験してこの小説を書かれたのだと思うのですが、違う方向でまたリベンジして欲しいと思います。NO.011■p241/幻冬舎/07/06
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2008年05月04日(日)
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