【読書記録】恩田陸「朝日のようにさわやかに」

理瀬シリーズ・ヨハンが主人公の「水晶の夜・翡翠の朝」を含む短編・掌編織り交ざった作品集。ヨハン君の物語は気になって短編収録時に読んでいたので、感想はそちらで。それにしても、アンソロジーも好きで結構読んでいるので、収録作品はちらほら見知ったものが交じっていました。
今回好きだったのは、『冷凍みかん』なんていいかな。ほぉっと思うものでした。まさか冷凍みかんを…に見立てるなんてなぁ。『深夜の食欲』は、恩田さんもあとがきで書いておりますが、今までのホラー要素にプラスアルファが加わった作品。とにかくぞっとしました。『淋しいお城』はミステリーランドを意識して描いた作品だけあって、子供の視点がとてもわかりやすくて、そのわりに味があっていいなぁと思ったし、『卒業』はとにかくスリルでスピード感がとてもいい!
どの作品にも言えるのは、趣向が凝っていること、そして長編では見られなかったであろうタイプもちらほらありました。何かしらの工夫がどの作品にも見られて面白かったです。NO.27■p281/新潮社/07/03
2008年07月26日(土)

ワタシイロ / 清崎
エンピツユニオン