【読書記録】豊島ミホ「陽の子雨の子」

ストーリー:奔放に笑う姿が印象的だった雪枝に誘われ、夕陽は自分より一回り近く年上の年上の女性とたまに会うようになった。一緒にいると楽しく、どこか普通の大人とは違う雪枝を好ましく感じていたものの、彼女の家へ行ったことで夕陽の中での印象はがらりと変わる――。

つかめそうでつかめない、わかりそうでわからない。それが私の感想でした。私の内容紹介だと物騒な香りもしますが、いたって健全(っていうとちょっと違う気もするのですが)なストーリーになっています。男子校に通う14歳の夕陽。彼が感じた灰色の点々と、雪枝の中に渦巻く思い、そして雪枝の家に居候する少年。彼らをとりまく点々がわかりそうでわからなくて、わかるようになるのかもわからないけれど、前半部分で、はっとする言葉がいくつかあったのが印象的でした。「馬鹿か嘘つきなら、さっき〜」後半ではこういう言葉いいそうなイメージはなくなってくるのにね。前半の鋭利さにびっくり。そして聡明な夕陽君に感嘆。NO.35■講談社
2008年08月14日(木)

ワタシイロ / 清崎
エンピツユニオン