みかんのつぶつぶ
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2003年03月21日(金) 春分


ゴトゴトと電車に揺られながらお墓参り。
ポカポカ日差しが窓から暖かくて。
休日の車内は行楽地へ向かう人で混雑していた。

環状8号線も大渋滞。
普段から混み合う道ではあるけれど、一層の渋滞ぶりだ。
みんな、何処へ行くんだろう。

いつもはポツンとひとりきりの墓地内も、
今日はあちこちの墓前に人影があり。
でも、
やっぱり寂しいことには変わりない。

花を供えお線香を焚き、煙草を一本点ける。
手をあわせながら、
こんなに早くキミがここに入るなんて、と心のなかで呟く。

去年は娘と一緒に、桜散る境内でお茶を飲んで帰ったのだった。
今日は、紅梅が咲き乱れる書院の庭を写し、
桜の蕾膨らむ加減を見上げながら日差しを浴びた。

静かに静かに。

帰り道、いろんなことを想いながら電車に揺られていた。
向ケ丘遊園前のホームを通過する特急の窓から、
家族4人でホームへ降り立った遠い日の姿を投影していた。
ここも、もう閉園してしまったのだよ。
キミが逝ってしまってから、世の中にはいろんなことがあってね。
キミが信頼していた息子は、高校を卒業したよ。
そして大切な大切な娘は、毎日明るく過ごしているから。

どうか、心安らかに眠ってください。
どうか、子ども達を守ってください。

キミと一緒にいた季節、
ただ噛み締めて、私は生きていく。

ありがとね。


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